〼(ます)健の備忘録

置き去りにしてしまいそうな好奇心を残せたら良いな。

実業団年齢構成を分析してみた②

 前回の記事が特段反響が良かったわけではないが、「このデータまとめるの面白いぞ…」と思ったので、他の地区の実業団の年齢解析も行う。今週には中部・関西実業団駅伝も控えているので、このデータを参考としてみていただければ幸いである。

 

○実業団については前年度ニューイヤー駅伝出場チームを掲載。

○若手・中堅・ベテランの区分については前の記事を参照のこと。

 

中部地方

①中部実業団昨年度1〜4位 〜トヨタはなぜ「強かった」か〜

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 このチャートを見ることで、「なぜトヨタ自動車がNY駅伝で黄金期を築けたのか」ということが見えてくる。大石、藤本、早川、田中といった主力が軒並み若手後期〜中堅前期の年齢層にいることが最大の要因で、かつ早くから主力になっていた宮脇が安定した結果を出していたこと、窪田・山本といった有力ルーキーをその時期にピンポイントで補強できたことも大きい。最近は旭化成の躍進のため以前ほどの駅伝力は発揮できていない様相だが、23歳世代の大量リクルートに成功している点、そして22歳世代の有力ランナーも大量加入予定(法政佐藤、早稲田太田智、國學院青木が内定済み)であることから、この世代が円熟期を迎える頃にまた黄金期を迎えるのではないか。

 逆に今年度・来年度チームが円熟期に入るのではないかというのが愛三工業。若手後期〜中堅前期の層が厚く、かつ鈴木、石川といった中核となるランナーがいる。今年また躍進が期待できる。トーエネック愛知製鋼もバランスがいい印象。というか松宮選手すごいなあ…

 

②中部実業団昨年度5〜7位&北陸地方 〜大改革に打って出た中央発條

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 まず誰もが目がいく中央発條。昨年度まで主力を張った小島(29)鈴木・相場(28)大野(27)吾妻(26)が退社。大卒ルーキーを迎え入れたとはいえ大胆な「血の入れ替え」に映った。とはいえ大卒ルーキーの吉岡が入社早々大幅自己新を叩き出すなど、将来性を感じさせる。

 他に注目すべきはNTNだろうか。前の記事で紹介したカネボウ・小森コーポタイプの年齢構成というべきか。とはいえ今期の大卒ルーキーの層が厚いところを見ると、今後スカウトの方針を変える可能性があるかもしれない。傾向に注目したいところ。

 それとやっぱり松宮選手すごいなあ…

 

【関西地方】

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 関西については老舗の大塚製薬から新戦力の住友電工まで似通った、独自の戦力分布をしていることがわかる。

・ベテランの駅伝勤続年数が長い(九州的傾向)

・高卒選手が少なく大卒選手の複数獲得(関東的傾向)

強いて挙げればヤクルトや、九電工や安川といった「大卒ルーキーの積極登用に舵を切った九州実業団」に近い年齢構成をしているように思える。とはいえ年齢層としてはバランスがいいといえそうで、関西実業団が長年泣き所としているインターナショナル区間さえなんとかなれば、もっと上位で戦えるようになるのではないだろうか。

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以上、実業団駅伝の分析記事とする。今後も、実業団駅伝についても解析や予想記事を上げることができればいいかと。乞うご期待。