〼(ます)健の備忘録

置き去りにしてしまいそうな好奇心を残せたら良いな。

都道府県駅伝を簡単に予想

 今年も「オールスターゲーム」がやってきた。簡単に優勝〜入賞予想を語っていく。

スタートリスト(リンク)

https://www.hiroshima-ekiden.com/information/pdf/orderlist25.pdf

 

1位予想:埼玉県

白鳥—小山翔—小山直—唐沢—佐藤—星野—設楽

 全員本調子なら間違いなくナンバーワンのオーダーを組んできたという印象。白鳥がいい位置でつなぎさえすれば、勝負勘鋭い3区小山、4区の選手としては破格の実績を持つ唐沢、世代トップクラスのロード走力を誇る佐藤、そして「ザ・駅伝男」設楽が控える、と隙がなくどこからでも畳み込める布陣。白鳥の復調具合がカギになるか。

 

2位予想:宮城県

吉井大—庄司—遠藤—吉井駿—喜早—後村—村山

 対抗はこちらも高校生区間に王者・仙台育英のメンバーをフル投入してきた宮城と予想。こちらは序盤の区間でいい位置につければ、3区突っ込んで粘れる遠藤で抜け出し、4区末脚鋭い吉井でとどめ、というパターンがうまくハマれば優勝も大いに考えられる。ただし、こちらも懸念事項はある。7区に配置された村山はニューイヤー駅伝を回避しており、状態が未知数なところだろう。

 

3位予想:福島県

渡辺—白井—蛭田—藤宮—松山—大橋—相澤

 前回王者はこの位置と予想。渡辺の1区対応が未知数な点や、3区「最強市民ランナー」の系譜・蛭田のスピード対応など不安要素は確かにあるが、それを補って余りある相澤という飛び道具を持つ点で3位以内には入るのではないか。また、「追い」実績のある5区松山も強力。形としては後半から畳み掛ける形になるだろうか。

 

4位予想:愛知県

鈴木—柴田—山口—小林—谷口—松井—東

 復権を狙う駅伝王国・愛知はこの位置。1区鈴木は都大路では失敗レースとなったものの、秒差でしのげば3区「Mr.都道府県駅伝」の一人と呼んでいい山口でトップに迫り、鈴木と逆に都大路で快走を見せた谷口で逃げ切り、そこから粘り切るという、福島チームとは逆の戦術になるか。

 

5位予想:京都府

赤星–尾島—阪口—小牧—三浦—柴田—一色

 こちらは高校生区間でしっかり稼げそうなチーム。高校生エース三浦は都大路ではうまく行かなかったものの、元来単独でハイラップを刻める選手のため、5区の方がうまくいくのではないか。大学・社会人の2名はそれぞれ年始の駅伝を回避したのが気がかりだが、本調子であればどちらも区間上位が狙える選手。

 

6位:群馬県

北村—樺沢—千明—伊井—石田—高草木—清水

 このチームの強みはほぼ全ての主要メンバーが今季好調な点であろう。石田・伊井は都大路で、千明は学生三大駅伝で、清水はニューイヤー駅伝で、それぞれいい走りを見せている。1区・北村がうまく滑り出すことができれば、勢いのままに押し切ることも十分に可能なのではないか。

 

7位:北海道

小野—櫻井—菊池—宮川—村上—本間—藤木

 今回の台風の目予想。1区・小野の都大路での大快走があったことが入賞予想の要員として大きい。そのまま上位の流れで戦えれば、3区「ロードの鬼」の菊池がトップ争いに乗り込み、そのまま上位で逃げ切れれば7区にこちらも箱根で快走した藤木が控える。4区宮川・5区村上の頑張りが大事になる。

 

8位:宮崎県

甲斐—大森—小野—倉掛—城戸—戸高—手嶋

 大学生・社会人の勢いという点では47チームで一番なのではないか。1区・甲斐が都大路の時のように上位で粘れれば、3区ニューイヤーで鮮烈デビューを果たした小野からこちらも上位の流れに乗れるはずだ。他にも、都大路6区で日本人記録を樹立した城戸、明治の新エースに名乗りを上げた絶好調・手嶋と、畳み掛けるポイントが多く、楽しみなチーム。惜しむらくは都大路3区で快走した佐藤が不在なこと。

箱根駅伝振り返り①青山学院の勝因は?

 今更ながら箱根駅伝を振り返っていくのだが、結果の羅列というよりは、テーマ別に振り返っていこうと思う。

 まずは「青山学院大学がなぜ往路・総合優勝を取れたのか」、ということについて、往路優勝を狙った國學院・連覇を狙った東海との「差がついた」ポイントを中心に語っていく。

 

区間別リザルト】

※下線は「予想が的中した」区間

 

1位 青山学院大学

吉田圭(7)—岸本(5)—鈴木(4)—吉田祐(1新)—飯田(2新)

谷野(3)—中村(4)—岩見(2)—神林(1)—湯原(5)

 

2位 東海大学

鬼塚(4)—塩澤(7)—西川(6)—名取(2)—西田(7)

館沢(1新)—松崎(3)—小松(1)—松尾(8)—郡司(3)

 

3位 國學院大學

藤木(2)—土方(8)—青木(5)—中西大(3)—浦野(3新)

島崎(8)—木付(11)—河東(7)—茂原(19)—殿地(4)

 

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 青山学院の優勝に終わった箱根駅伝、往路では「往路優勝・大本命」と謳われた國學院の猛追をはねのけ、復路は「黄金世代」東海大の追撃を振り切った。その勝負を分けたポイントについて、自分なりの見解を述べていこうと思う。

 

①往路の稼ぎどころで攻め倒した4年生の勇気

 往路2区まででは、青山学院と、往路優勝を争う東海・國學院との差はあまりなかった。この段階では往路優勝はどうなるか全く予想できなかった。しかし、その後の区間3区・4区で大きく差がつき、青学優位に働いた。その理由として、まず3区鈴木と4区吉田祐2人の「飛ばす勇気」をあげ、称えたい。

 箱根本戦では、東海3区・西川が出入りの激しい展開でも動じずマイラップを刻む「仕事人」の面目躍如と言える走りを見せ、國學院4区・中西は1年生離れしたクレバーな走りを披露した。しかし、それが「飛ばす勇気」を持って最初からハイペースで飛ばした鈴木・吉田祐の戦略を前に裏目に出た、という印象を持った。

 もちろん、後半に垂れてしまっては「勇気」は無謀に変わっていただろうが、青学の調整の上手さ、気候や靴の特性といった外的要因も合わさり「飛ばして粘り切る」ことができたため結実した作戦とも言えるだろう。

 

②飯田の山適性・メンタル

 そして5区、東海・國學院ともにクライマーには絶対の自信を持ち、特に國學院・浦野については「2分なら捲れる」というコメントもあった程。そういった後方からのプレッシャーに耐え、自分のペースで山を登り、大平台までで差を詰めさせなかった青学5区・飯田の山適性とメンタル。これはもちろん往路優勝に不可欠な要素だった。更に言えば、来年は東海・西田が残るため、この逃げ切り経験が来年の「往路優勝・総合優勝」に向けて大きな財産になってくるのではないだろうか。

 

③岩見の「克己」

 復路での勝因・すなわち総合優勝の勝因は岩見の走りによるところが非常に大きいと見る。というのも、東海大学は6区で館沢がジョーカー的走りを見せて1分以上差を詰め、7区松崎もルーキー離れした走りで20秒ほど詰め、東海に流れが傾きかけた中で、青山学院に流れを戻す役割を担ったからである。

 更にシチュエーションだけ見ると、「「追いかけてくる東海・小松は8区のレコードホルダー」ということで、昨年度、東洋相澤に競り潰された嫌な思い出がフラッシュバックしてもおかしくなかった場面。しかし岩見は序盤から他の青学の選手同様、勇気を持って入り、東海・小松のビルドアップにも耐え切った。

 この区間で1分差以内まで詰め寄られたら、9区・10区での逆転も大いに考えられた場面で、1秒しか縮めさせなかったことは、岩見の中でも大事な「成功体験」になるのではないか。

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 上記から、青山学院の優勝の要因は

・序盤の勝負どころを見極め突っ込む勇気

(3区・鈴木、4区・吉田祐)

・ライバルチームのエンドカードを凌ぐ選手のメンタル

(5区・飯田、8区・岩見)

の2点に集約されるのではないか。

 

 そして、来年度の話をするのであれば、青山学院は優勝を決定づけた4年生がいなくなるとは言え「勇気ある突っ込み」を敢行できる選手が数多く控える一方で、東海・國學院はともに今大会屈指のエンドカードを失うため、往路優勝・総合優勝ともに青山学院が優位に立つのではないかと考える。

 とは言え、東海大は現3年生の柱名取・塩澤・西田は十分にエンドカードとしての役割を期待できるため、来年度も青山の対抗としての地位は保つはずだ。國學院については現2年世代に覚醒の予感が漂い、近いうちにまた台風の目になる可能性があるので、引き続き注目すべきチームと言える。

箱根駅伝最終走にかえて〜箱根路を走った選手たち②〜

 前回記事の続きから。後編では、黄金世代の顔とも言える、持ちタイム上位の選手を紹介します。

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 まず目を引くのは今年の箱根駅伝で1区を走り区間賞を獲得した創価・米満選手。1年時から「故障は多いが走れば強い」を地で行く選手でしたが、4年になり通年走れるようになってから、28分30秒台を叩き出すなど更に上のステージへ行った印象です。優秀の美といえば中央・二井選手も、1年時に28分台を出してからは思うように走れず…その後4年生になってから徐々に復活し、区間6位で走れるまでになりました。順大・小畠選手も4年時に花を咲かせた選手です。

 そして今年の箱根駅伝で帝京の核となる区間を担った岩佐・島貫・平田トリオ。岩佐選手は持ち前の安定感でチームを締めていた印象のあるランナー。島貫選手はトラックから、平田選手はロードから台頭しましたが、最終学年では2人とも、「どちらでもいける」選手に成長したように思います。最後の山だけうまくいかなかったリベンジは実業団で果たしてくれれば。

 法政・岡原選手は最後の箱根は最下位からのスタート、日大金子選手と日体大中川選手は、最後の箱根では奇しくも一斉スタートで並走することになってしまいました。が、4年間の貢献度は各大学ファンも認めるところ、そんなランナーたちでした。

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 インパクトでいえば中央・舟津選手が一番でしょう。凋落しゆく中央大学で「1年主将」を任され、箱根予選会落ちと涙のスピーチを経て、1年で自身もチームも強くなって復活。その後も紆余曲折ありながらチームをまとめ、藤原中大を象徴する存在になりました。一選手としては日本有数の中距離ランナーでもあるので、実業団ではスピードを磨いていってほしいところ。この持ちタイム帯では他にも拓殖の日本人エースの系譜を継ぐ赤崎選手、3年時から驚異的な成長曲線を見せた順天堂の藤曲選手、全日本大学駅伝予選などトラックでの勝負強さが印象的な日大・松木選手が主将経験者です。

 そして早い段階からチームの主力になった選手も多いです。法政・佐藤選手は山下りから台頭し、3年時からは平地でも実力を伸ばし、4年時は相澤選手にも勝ったランナー。怪我が悔やまれます。同じく上級生になってからの怪我が悔やまれるのは中央学院・藤田選手ですね。一方で日体大・山口選手は4年間結果を残し続け、押しも押されもしないエースになりました。

 山梨学院・中村選手は3年時から台頭した選手。ロードから台頭した選手だったため、いきなりスピード区間の3区は厳しかったのか。そして忘れてはいけないのが青学・吉田祐選手。アップダウンでの強さにもともと定評があったものの、箱根はなかなか縁がなく…迎えた最後の箱根4区でとんでもない区間新を叩き出したことで、努力が報われた形になりました。

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 ここで金栗杯獲得者が登場、東海・小松選手。3年時にようやく掴んだデビュー戦で、並走する東洋の選手を競り潰して「最古の区間記録」を塗り替え、時の人になりました。4年時はその時より難しい展開になりましたが、それでも区間賞を取ったあたりは流石でしょう。

 他は「準エース」的な立ち位置の選手たち。國學院の鬼門・3区を締めた青木選手、順天堂の準エーストリオを形成したハチマキ橋本選手と野田選手、3年時に輝きを放った日体大のスーパーユーティリティ𢌞谷選手、2年時の神大の大躍進を安定感で支えた安田選手、東京国際のスピード区間を担った真船選手ら、チームの躍進にこの選手ありという選手が多いです。

 また、スピードに定評にある選手として明治・河村選手と中央・冨原選手がいます。冨原選手は上級生になってから苦労しましたが、河村選手は上級生になってから距離にも対応し花開く、と、好対照です。

 川澄選手は3年時までには紛れもなく大東のエースとなった選手。しかし、箱根駅伝2区を走って以降、原因不明の不調に喘ぎました。焦らず復活を待ちたい選手です。

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 この持ちタイム帯に入って、「東海大学・黄金世代」の顔が増えてきましたね。爆発力は世代トップクラスの東海・阪口選手は故障こそ多かったものの出雲駅伝1区、箱根駅伝7区で優勝を力強く導く走りが印象的でした。郡司選手は長い距離・ロードに強みを持つ選手、中島選手は山下りの名手として東海の箱根初制覇のコアメンバーになりました。中島選手は4年時の苦悩する姿も印象的でした。こちらも焦らず復活を待ちたい選手です。

 神大もこの持ちタイム帯の選手に躍進期のコアメンバーがいます。越川選手・荻野選手ともにスピードのある選手で全日本大学駅伝の優勝に貢献。しかし期待された2年時の箱根は荻野選手が洗礼を浴びました。それ以降、両選手とも長い距離でのたくましさを身につけていった印象です。

 前述の中島・荻野選手らもそうですが、山に縁のある選手が多いのも特徴的で、法政・坪井選手、駒大・中村大成選手は各大の山下りを担ってきた選手、駒大・大坪選手は登りに挑みましたが苦戦しました。

 青学のキャプテン・鈴木選手はダメダメ世代と称された世代のキャプテン、苦悩しながらもチームをまとめ、青学の覇権奪回に尽力した姿は印象的でしたね。

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※ムイル選手はデビュー戦のタイムを使用

 ここでようやく鉄紺の箱根戦士が現れました。今西選手は山下りの快走が印象的ですが、他の駅伝でも難しい位置からの追い上げで力を発揮する駅伝男でした。また、「人間じゃねえ」などの迷言も多く残し、ファンから愛された選手でもありました。もう一人、渡邉選手は1年時から28分台を出すなど中軸を担う予感はあり、2年時の全日本大学駅伝など光る走りもあった選手ですが、怪我に苦しんだ印象です。まずは怪我を治してほしいところ。

 東海の黄金世代ではユーティリティ・松尾選手がいます。ハーフマラソン62分台を安定して出し続け、箱根5区や全日本7区など難しい区間をまとめる姿が印象的な選手でした。

 創価・ムイル選手と早稲田・太田選手、大東・奈良選手は苦しみながらもチームを牽引した選手でした。ムイル選手は全日本大学駅伝予選会でのまさかの途中棄権でどうなるかと思いましたが、すぐに立ち直るとクレバーな走りで創価の躍進に貢献。その後も順調にタイムを伸ばし、他の外国籍選手と遜色ない選手になりました。太田選手は2年時までにエースの階段を順調に登っていましたが、3年時の故障と箱根駅伝・華の2区で辛酸を舐めました。しかしそこから4年時は復活を遂げました。奈良選手は父子鷹で注目されながらもなかなか結果を残せず、そんな中3年時の箱根駅伝4区で見せた、チームの窮地を救う走りが印象的でした。

 明治・中央学院の選手らは怪我に苦しみ続けたような。明治の三輪、中島選手はチームの主力として4区を走り、特に三輪選手の3年時の快走を覚えているファンは多いはずです。中島選手は順調な時期とチームの底が被ってしまったのが惜しまれる選手です。中央学院・横川選手はハチマキ姿と積極果敢な走りが印象的な選手で、復活が待たれます。高砂選手は「走れば強い」の体現者という印象です。部を離れてしまいましたが、第二の道で頑張ってほしいものです。

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 「黄金世代」の顔となる選手がずらりと並ぶ持ちタイム帯。やはり印象的なのは東海大の4人。鬼塚選手は1区主戦場の選手でしたね。末脚の強さと本番前の高い調整能力で東海大学を支え続けました。西川選手は崩れない安定感で順位変動の激しい前半区間を担った選手。競技以外の面では最終年度に苦しんだ館沢選手に代わり部を纏めた姿も印象的です。館沢選手は1500mで2度日本一になるなど中距離が主戦場の選手。駅伝では東海大のゲームチェンジャーとして、序盤から飛ばしに飛ばして粘り切る走りでファンの心を掴みました。そして關選手。勝負勘の鋭い選手で、出雲駅伝全日本大学駅伝では競り合いに強いところを見せた印象です。箱根駅伝最終走が1年時の2区になってしまったのが惜しまれます。実業団で復活を待ちたいですね。

 順大・難波選手と早稲田の新迫選手は、高い能力を駅伝になかなか還元できずに苦しんでいた印象です。難波選手は関東インカレハーフマラソンで入賞するなどロードの力は一線級で、マラソン挑戦が楽しみな選手です。新迫選手はトラックのスピードがある選手でトラックから台頭。箱根は少し適性とは違う印象のある9区を任されましたが、いい走りを見せてくれました。

 青学と駒澤のW中村選手は上級生になってようやく出てきた選手、駒澤の中村選手は「なかむらたいせい」コンビの名前ネタが先行していた印象ですが、3年時の箱根駅伝を3区5位で走ったことで走りでも力のあることを示し、その勢いのまま日の丸を背負いました。4年時の駅伝では苦戦しましたが、頼もしいエースになりました。青学中村選手はマネージャー転向も打診された中で覚悟を持って能力を伸ばし、三大駅伝全出走を果たしました。スピード型の選手という印象がありましたが、実際には後半区間で淡々と刻む走りが得意な選手でしたね。

 最後に紹介するのは学生の域を超えた走りを見せた阿部・相澤選手。阿部選手はもともとトラックに強みを持ち、現役学生唯一の27分台ランナーになりました。それが2年時の全日本大学駅伝旧7区区間新からロードでも実力を発揮しだし、最後の箱根は区間新で締めました。その阿部選手の高校時代からの戦友、東洋・相澤選手は逆にロードの強さが光る選手。いきなり箱根駅伝・華の2区で区間3位を叩き出したのにはびっくりしました。その後もユニバーシアードハーフ優勝、3年時の箱根駅伝4区から3連続区間新、4年時の箱根はあのモグスの記録を破る記録を叩き出し、「学生最強」の称号をほしいままにしました。卒業後のマラソン挑戦が今から楽しみな選手です。

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 こうした個性豊かな「黄金世代」の戦いに敬意を表し、このあたりで筆をおきます。お疲れ様でした!

箱根駅伝最終走にかえて〜箱根路を走った選手たち①〜

 箱根駅伝が青山学院の優勝に終わり、いよいよ三大駅伝も終わりましたが、その番組内コーナー「箱根駅伝最終走」に触発され、先にこのような企画記事を書くに至りました。箱根路を走った選手たちを、持ちタイム別に紹介していきます。

 「出雲全日本だけ走った選手はどうなんだ」という声もあるかと思いますが、そこは割愛させていただきます。ご了承ください。

(着想はフリーダムさんのブログ

https://hakonankit-fd.com

内でかつて行われていた企画です。)

 

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 このゾーンの選手は、5000m15分台〜から箱根路出走に上り詰めた選手たち。一番活躍を見せたのは東国・相沢選手でしょうか。2年時の鶴見一斉スタートの集団でいい走りを見せて主力に名を連ね、3年時箱根予選会での「伊藤超え」や4年時9区での快走が印象的でした。

 4年時に輝きを放ったのが山下り58分台を叩き出した青学・谷野選手と、28分台ランナーになり急成長を遂げた日大・廣田選手。「サテライト」上がりの山梨学院・山田選手や上武の鴨川、齋藤コンビも上級生になってからチームの中軸を担っていました。

 玉澤選手は3年生になってようやく入部を認められた選手。学生連合で出走した溜池選手はブラインドランナーの伴走者としても活動しているそうです。

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 早速三大駅伝区間賞者が登場しました。城西・荻久保選手です。箱根路はなかなか縁がなかったものの、出雲1区や箱根予選会での快走、そして何より伊勢路での2年連続区間賞はファンに強烈なインパクトを残しました。彼と同じく最後の箱根路で見たかった選手がもう一人、上武・佐々木選手。関東インカレハーフマラソン帝京大青学大の猛者を抑えて表彰台に上った選手です。逆に最後の箱根路での復活を見られて嬉しかったのが拓大・中井選手。2年時に9区7位と走れたものの、3年時は全く姿を見せず。どうなるかと思ったらそこから4年時に復活し、三大駅伝は全て長距離区間を任されました。

 国士舘の鼡田選手・石川選手も長距離区間を担った選手。特に鼡田選手は3年間山を登り、最後こそ不本意な結果となりましたが留学生に並ぶ国士舘のストロングポイントになりました。

 他の選手は上級生になってから台頭した選手ということもあり、日体大森田選手、中央学院の藤井選手は8区、山学・宮地選手や連合・上土井選手は4区と、難しい区間をそれぞれ任されました。

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  箱根駅伝4年連続出走者がここで登場。國學院・土方選手です。1年春から持ちタイムをぐっと伸ばし、チームが出場した駅伝全てに参加。2年時の4区3位の走りから殻を破って3年から主将を務めました。その後も関東インカレハーフマラソンで優勝など結果を残し続け、箱根では華の2区を任され、國學院の躍進の核になりました。

 躍進著しい麗澤の両輪・国川選手と宮田選手は同じような持ちタイム帯出身。箱根駅伝予選会は2年連続次点となったのが惜しいところですが、麗澤が予選会で戦えるチームになったのは彼らの尽力が大きいと思います。

 他には、東京国際の上昇とともに頭角を現した山瀬選手、「復路で粘れる」と監督が太鼓判を押した神大の森・古和田選手、チームでは後半区間を任されることが多かった城西・中原、順大・鈴木選手ら、「チームの脇を固めるいぶし銀」が多い印象です。早くからチームで台頭した国士舘・福田選手は3年間かけてリベンジに成功した格好です。

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 駅伝ファンの記憶に新しい、筑波大復活を牽引したエース、金丸選手がここで登場です。予選会では上位に食い込み、本戦は2区区間19位ながら69分半ばは十分すぎるタイムでしょう。強烈なインパクトといえばもう一人、3年時の箱根8区で巧走しシードラインを引き離し、中央学院ファンを歓喜させた大濱選手もいますね。

 この持ちタイム帯の選手は名門大のファンから期待されたものの、苦しんだ選手が多い印象です。筆頭は日大の阿部。2年時の学生連合での出走から台頭し、3年時の全日本大学駅伝や4年時の関東インカレで長い距離の強さを証明したものの、4年時途中から調子を崩し、勝負レースは出走できず。実業団での復活を願ってやまない選手です。同じく日大の小坂選手、日体大の山下り濱田選手、関東インカレで活躍を見せた早稲田の大木・真柄両選手も該当するでしょうか。

 一方で最後にチャンスをつかんだ選手として、連合に選ばれてリーダーシップを発揮した阿部選手や、コツコツと記録を伸ばしてきた高林選手がいます。

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 いよいよ箱根駅伝区間賞者が登場。國學院「三本柱」の一角、浦野選手。1年時こそ6区で失敗したものの、2年時春から爆発的に記録を伸ばし、チームのエースになりました。インパクトとしては3年時の山登りでただ一人70分台で登りきっての区間賞が一番でしょうか。更なる飛躍が期待できる選手です。他にもこの持ちタイム帯からは山に挑んだ選手が多く、大東・佐藤選手、創価・築館選手、上武・橋立選手の3人は、山登りの適性を謳われ天下の険に挑みました。

 その他の選手もチームの中軸を担う選手ばかり。専修・長谷川選手は2年時の箱根予選会から一気に伸びてエースになりましたが、箱根駅伝は出遅れた中での2区で区間最下位。学生連合のレギュレーション変更でリベンジの機会が訪れなかったことが悔やまれます。中央学院の川村選手、城西大学の西嶋選手も大学のエースの一角として名を挙げました。山学・川口選手はチームとして苦しい時期に主力に定着した選手です。

 最後の年に存在感を示したのが4年時箱根10区区間新の吉野選手、中央学院の4区を任されまずまず走った城田選手でしょうか。

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 この持ちタイム帯になると、流石にチームのエース格が増えてきます。一番の出世頭は東国・伊藤選手で間違い無いでしょう。2年時から2区を任されるほど成長すると、3年時に一旦足踏みしますが、4年時はユニバーシアードハーフマラソン出場に始まり、各勝負レースで日本人トップを総なめにせんばかりの活躍を見せました。最後の箱根も学生最強・相澤選手相手に退かないレースで魅せましたね。そんな伊藤の相棒としてチームを支えた内山も、東京国際の躍進に不可欠なピースでした。

 法政の青木は、2年時に箱根の山を制したことで一躍話題に。前哨戦含め、チームが苦しい順位でも決して失敗しない勝負強さが印象的です。卒業後はトラックで世界をということで、主戦場の3000mSCで輝いてほしい。駒澤・山下は中継ミスが話題になることもありましたが、本質的には長い距離に非常に強いタフな選手で、マラソン挑戦が今から楽しみな選手の一人です。山梨学院首藤はトラックに強くて全日本大学駅伝予選で活躍していましたし、帝京小森、中央学院有馬選手も長い距離・タフな展開で強みを見せた選手でした。法政松澤、國學院茂原各選手も、苦しむ期間こそあれど押しも押されもせぬチームの主力として箱根路を走りました。

  

(後半へ続く)

箱根駅伝順位予想

 いよいよニューイヤー駅伝も終わり、箱根駅伝を迎えるのみとなったお正月。順位を簡単に予想していこうと思う。

 

①往路順位編〜上位争いのみ〜

1位:國學院大学

2位:東海大学

3位:駒澤大学

4位:東洋大学

5位:青山学院大学

 ひいき目が若干あるのも承知だが、このように予想した。

 往路の5強の戦いのイメージとして、4区までで駒澤、少し開けて東洋と青山学院が抜け出し、1分~2分差程度で東海と國學院が同時スタートで追う、という展開を想定した。東海が2区、國學院が4区に不安要素があり、他の3校にはそのような不安要素を感じなかったためである。その中でも駒澤が1区で区間賞争い、2区は先頭集団で踏ん張り、田澤の入る区間で一気に抜け出すという戦術をとって4区までで先頭を走るのではないか。青山学院と東洋は駒澤ほど強力ではないものの、4区までで穴のない布陣を組めていることから東海・國學院より前でタスキを渡すのではないか。

 そして問題の5区、東海西田が70分中盤、國學院浦野が70分を切るかどうかのタイムを出すと想定すると、経験のない青学飯田、東洋宮下は対抗できず、駒澤伊東は72分を切るかどうかのタイムで登るとしても追いつかれるのではないか。ということで、このような予想とした。

 ここに記入していないが侮れないのが早稲田と東京国際。早稲田は平地でいうと東洋・青山学院よりやや遅れるくらいの位置で推移できると予想する。また、東京国際も、伊藤および留学生でのアドバンテージ如何では4区終了時点で駒澤に肉薄している可能性がある。

 

②総合順位〜5強編〜

1位:東海大学

2位:駒澤大学

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3位:東洋大学

4位:青山学院大学

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5位:國學院大学

 選手層および上記のシミュレーションを受けて復路を考え、駒澤が6区を起点に一度東海に追いつき、そこからは復路8〜10区メンバーの差でジリジリ広げられる、という展開を予想する。

 3位争いはそこから少し離れて東洋・青山学院のマッチアップとなるが、東洋が昨年度に比べて層を厚くしている点、今西・定方の存在から優位に立てるだろう。國學院はやはり8区以降のメンバーに力不足な印象があるため、こうした優勝・3位を争うチームに飲まれるのではないか。とはいえ、往路優勝のアドバンテージでそのほかの大学からは逃げ切れるはずだ。

 

③総合順位〜シード圏〜

6位:早稲田大学

7位:帝京大学

8位:東京国際大学

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9位:中央学院大学

10位:日本体育大学

11位:順天堂大学

12位:法政大学

OP:関東学生連合

13位:日本大学

14位:創価大学

 ここまでがシード権争いのメインとなる大学。とはいえ、上位3大学と9位以下はそれなりに差がつくとみていい。早稲田と東京国際は前述の通り往路でいい位置につけることができる大学、一方で帝京は復路でジリジリ詰め寄ることのできる大学。早稲田は帝京の猛追を逃げられるだけのランナーを揃えている印象があるので、この順位とした。

 9位以下は本当に迷った。頭一つ抜けている印象があるのは往路でいい形のレースができそうで、有馬・石綿と前哨戦でいい走りをした2名を補欠に残している中央学院。そのほかは本当に横一線だが、個人的には日体大の調整能力・および中川翔太を10区に起用した戦略を評価し、最後の1枠を日体大と予想した。11位予想の順天堂は僅差で、終盤区間で粘りが効かなかった前哨戦の戦いぶりを考慮する形となった。

 12位以下は復路の戦力が心もとないためこの位置とした。日大・創価は往路で突っ走る可能性があり、法政は山で盛り返すと、それぞれ見せ場は作るだろうが、エース・山担当者以外の区間でガス欠が起こりそうな点が気がかり。なお、関東学生連合も同じような理由で日大・創価・法政と同じような位置と予想した。

 

15位:神奈川大学

16位:明治大学

17位:拓殖大学

18位:中央大学

19位:筑波大学

20位:国士舘大学

 この辺りはオーダーからあまり「やりたいことができていない」大学および、全体的に力不足な感が否めない大学。神奈川・明治・中央はエースおよび脇を固める主力の配置に疑問符がつくようなオーダーで、特に神奈川大は1区、明治・中央は2区に多少不安を残している。

 国士舘および拓殖は留学生およびエース(鼡田および赤崎)以外の力不足、筑波は全体としての経験不足から厳しい結果となると予想する。とはいえ、それぞれ見せ場は作れ、かつ戸塚から繰り上げとなるような事態にはならないはずだ。

ニューイヤー駅伝区間賞・順位予想

 ニューイヤー駅伝のオーダーが発表された、ということで、「実業団選手にも注目する」ことを謳った当ブログでは区間賞予想および順位予想を行っていく。この記事が「お年玉」獲得の一助になれば幸いである。

(もちろん外しても責任を取るものではございません)

 

○「お年玉」とは?

 各区間区間賞者を予想し、正解者の中から抽選で3人に「区間距離1kmあたり10,000円」が当たるニューイヤー駅伝番組内企画のこと。詳しくはニューイヤー駅伝ホームページ参照。

 

ニューイヤー駅伝オーダー:http://www.jita-trackfield.jp/jita/wp-content/uploads/2019/11/2020_NewYearEKIDEN_kukanorderlist_1230.pdf

 

 

・1区:例年の傾向から「末脚がある」選手の予想が鉄板

区間賞】

2019:中村(九電工

2018:遠藤(住友電工

2017:戸田(日清食品

 例年スローペースに始まり、ラスト1kmからの差し合いとなる区間。上に挙げた区間賞の選手はもちろん、区間2位以下の選手にも服部(トーエネック)や山口(愛三工業)などスパートの強い印象のある選手が並ぶ。

 本命予想は服部(トーエネック年末の日体大記録会5000m最終組でも体のキレを見せつけている。対抗は経験豊富で末脚鋭い梶原(ひらまつ病院)、高校生時代から一貫してスパートの巧みさを感じるルーキー、小山(ホンダ)にも注目したいところ。

 

・2区:本命不在の戦い、強いて挙げれば冬場のトラックが指標になるか。

区間賞】

2019:ケモイ(愛三工業

2018:カロキ(DeNA

2017:カロキ(DeNA

 全く傾向が読めない。一昨年度までの区間賞者カロキは抜群の安定感を誇っていたが、昨年度については区間賞を獲得したケモイ、区間2位のケイタニー(トヨタ紡織)も決して前哨戦でいいレースができていたわけではない。一方で、八王子ロングディスタンスである程度結果を残している選手は上位に食い込んでいる印象。(キメリ(富士通)など)

 本命はクルガト(中電工)。昨年度から高い安定感を発揮しており、八王子ロングディスタンスもまずまずの結果と、好記録を計算できる選手。対抗馬は昨年度区間2位で八王子でも好走したケイタニー(トヨタ紡織)、そしてルーキーながら目下絶好調の日大戦士、ワンブイ(NTT西日本)も侮れない。

 

・3区:攻めるタイプのスピードランナー・経験者が強い

区間賞】

2019:鎧坂(旭化成

2018:市田孝(旭化成

2017:大石(トヨタ自動車

 「変動の3区」というだけあって、スピードがあるのが前提として勇気を持って突っ込める選手が区間順位としては良い形になる、という印象が強い区間。だが、それ以上に「経験がものを言う区間」という印象も強い。と言うのも、

2019上位5:鎧坂(旭化成延藤(マツダ—牧(スバル)—田村(住友電工)—藤川(中国電力

2018上位5:市田孝(旭化成)—高橋(DeNA)—松枝(富士通—小松(NTT西日本)—石川(愛三工業

2017上位5:大石(トヨタ自動車上野(DeNA六野旭化成菊池(コニカ—円井(マツダ

2016上位5:上野(DeNA菊池(コニカ大石(トヨタ自動車—佐藤(日清食品)—松田(SGH)

※下線は直近4年間で出走した選手

 と、上位の顔ぶれだけ見ても同じような選手が上位争いしていて、経験がものを言いやすい区間だと言えそうだ。

 本命は前年度区間賞に迫った延藤(マツダ。3区経験豊富なコニカ菊池と迷ったが、今年の勢いでいえばこちらの方が本命とみる。対抗はその菊池(コニカ)と、こちらも駅伝ではめっぽう強く、昨年度区間5位で走った藤川(中国電力)。

 

・4区:MGCファイナリストの共演

区間賞】

2019:井上(MHPS

2018:設楽(ホンダ)

2017:市田孝(旭化成

 こちらは「華の4区」と呼ばれ、ハーフマラソン並みの距離があるエース区間。ここ2年はMGCファイナリストになるような選手、そうでなくともハーフマラソン・マラソンに強い選手が多く起用されている。昨年でいえば、井上、今井(トヨタ自動車九州)、岡本(中国電力)、山本(マツダ)、中村(富士通)などが該当するか。その中でもスピードがあり、この時期好調な選手が素直に区間賞を獲得している印象。

 本命は設楽悠太(ホンダ)MGCでも思い切った先行逃げ切り策をうち、30km少しリードを持たせていて、地力と調子の良さを見せている。対抗は同じくMGCファイナリストで安定感が持ち味の井上(MHPS)、山本(マツダ)、そして昨年区間2位、MGCでも好成績を収める大ベテランの駅伝男・岡本(中国電力)あたりか。

 

・5区:速さより強さが求められる区間

区間賞】

2019:服部(トヨタ自動車

2018:村山謙太(旭化成

2017:村山謙太(旭化成

 強い風と上り坂に苦しめられ、コンディションとしては短くなった「箱根駅伝・華の2区」とも言うべき区間。こうした悪コンディションに加え、単独走にもなりやすい区間のため、それこそ箱根駅伝で2区・5区を任されるタイプの馬力のあるランナーが強い。直近の区間賞者の服部、村山謙太ともに2区を任されており、何度もこの区間を任されている山本浩之コニカ)もかつて東洋で2区を任されていたことからも伺える。

 今年の本命はやはり服部(トヨタ自動車だろう。MGCで一人で追い込める点・ビルドアップができる点を示した。対抗馬はその服部のライバル・村山謙太(旭化成)となるか。基本的にはこの2人のマッチアップとなるはずだ。

 

・6区:優勝チームが「エンドカード」を切る

区間賞】

2019:市田宏(旭化成

2018:市田宏(旭化成

2017:市田宏(旭化成

 この区間は何と言っても優勝チームが区間賞の走りで独走態勢を築いて優勝につなげてきた区間。直近3年間は市田宏(旭化成)、その前は田中(トヨタ自動車)が区間賞をとってきた。曲がりの多いコースの特性上、逃げるランナーの方が優位に立ちやすい、と言う側面もあるのだろうが…

 本命は田中(トヨタ自動車旭化成が例年から選手を変えてきたこと、トヨタ自動車が今大会では十分上位で6区につなげる可能性があることから、「エンドカード」の面目躍如の走りを見せてくれそうだ。また、調子を落とし気味とは言え復調すれば対抗に上がるのがベテランの今井(トヨタ自動車九州)と2年目の田村(住友電工)か。加えて、ルーキーの林(GMOアスリーツ)も面白い走りを見せてくれそうだ。

 

・7区:展開により主役が変わる

区間賞】

2019:古賀(安川電機

2018:早川(トヨタ自動車

2017:野口(コニカ

 優勝が決まる区間ではあるが、風が強く吹きやすいコースの性質上、大学駅伝のように先頭を走るチームがそのまま区間賞をとるというよりは安全運転に徹し、後方の集団からするする追い上げる選手の方が区間賞を取りやすい印象を持った。事実、昨年度区間賞の古賀(安川電機)は集団から追い上げての区間賞だった。

 本命は鎧坂(旭化成だろうか。後述するが、今年は6区までにトヨタ自動車が先着する可能性が高く、追う立場になるのは旭化成になると予見できるからである。もちろん、立場が変わればトヨタ自動車のアンカー早川も対抗としてあがる。また、「入賞争いからの追い上げで区間賞を取る」可能性があるのが二岡(中電工)。世界陸上でのダメージが抜けて本調子になっていれば、7区に配置されるような選手ではもはやないと自分は考える。

 

【順位予想(入賞まで)】:旭化成vs自動車メーカー連合

1位:トヨタ自動車

藤本—コシンペイ-西山—大石—服部—田中—早川

2位:旭化成

茂木—キャプシス–市田宏—市田孝—村山謙太—小野–鎧坂

3位:マツダ

山本—ギデオン–延藤—山本—向—廣–円井

4位:コニカミノルタ

野口–ランガット–菊池—蜂須賀—山本—我那覇—宇賀地

5位:ホンダ

小山—キルイ–中山—設楽—田口—山中—原

6位:中国電力

北—ウェスリー–藤川—岡本—松井—森本—清谷

7位:愛三工業

山口–ケモイ–石川–鈴木–管–中舎–中西

8位:中電工

東—クルガト–相場–松尾–大崎–畑中–二岡

 今回の1位はトヨタ自動車と予想。というのも、旭化成のメンバーの区間コンバートの様子から、「実はあまりコンディショニングがうまくいってないのでは」という考えが頭をよぎったからである。その隙を往年のようにトヨタ自動車が「5区で追いつき、6区田中が止めをさす」形で仕留められる布陣を敷いてきたように映った。そして3位のマツダも、3区4区に区間賞候補者を固めている点で中盤先頭争いをする場面が訪れる可能性が出てきた。5区を走る向の頑張りが大事になってくるか。4位〜6位の実業団は流れを決める3区・4区がしっかりしている点で中盤に上位グループにつけて後半に伸びていくと予想した。

 7位と8位に予想したのが今回の躍進枠。愛三工業は3区4区こそ上位チームより少し見劣りする部分があるが、5区以降の選手層は以前上位争いをしていた大会よりよくなったと見る。中電工に関しては、まず2区の有力インターナショナル戦士・クルガトで一つ波に乗れ、日本人選手も地力をつけているためこの位置と予想した。

箱根区間発表と変更予想

 今回も、箱根駅伝の1次区間エントリーがあったので、これらを表でまとめた上で、変更予想を簡単にしていきたい。

【表の凡例】

赤:留学生および今期のエース(独断により選定)

黄:今期の大学駅伝・箱根予選会に出走した選手

緑:上記に当てはまらない選手

二重線囲い:山区間経験者

 

【前回1〜5位】

 この中で比較的順調にオーダーを組めているのが東洋大と駒大。東洋大はエースの相澤は2区、それ以外の主力も9区定方以外を往路に惜しみなく投入した。昨年度経験者の田中が補欠なのは気になるが、全員が本調子と仮定すると面白い。駅伝経験のない1年生がエントリーされている7区・10区に実力者の大澤と蝦夷森が入るのが自然か。駒大は例年の傾向どおりエースを1区・2区でロケットスタートの構え。山区間の経験者も順当にエントリーされた。往路にもはやエースの田澤と、前哨戦で好走した小林、復路は経験者の小島か、ハーフの記録をコツコツ伸ばした石川が入るか。10区も変更があるかもしれない。

 少し正攻法ではなさそうなのが東海大帝京大。2区にどちらかといえばスピードに定評のある塩澤が入り、今季エースに名乗りを上げた名取ら、駅伝経験者5人が補欠に入った。とはいえ選手層の厚さゆえ、特に問題は感じさせない。選手交代4名分は使い切るというコメントがあったのでフルに活用するのだろう。帝京は小野寺が往路に入るとしたら1区になりそうだが、1区が適正区間の選手とは言い難い側面があるので、作戦でなければ誰かが故障or不調、ということなのだろう。ただ、それ以外の点についてはロードに強い選手がずらっと並び、例年の帝京大通りの作戦が取れるだろう。

 様子を見に来たのが青山学院。順当にいけば1区湯原、4区吉田圭なのだろうが、吉田圭1区の可能性も残したオーダーとなっている。往路は耐え、7区中村から反撃に転じるオーダーが組めそうだ。

【変更予想】

東海:4区名取、6区市村、7区館沢、9区阪口

青山:1区湯原、4区吉田圭、8区吉田祐

東洋:7区大澤、10区蝦夷

駒澤:3区小林、4区田澤、7区小島、10区石川

帝京:1区小野寺、10区中村

 

【前回6〜10位】

 予想通りの正攻法で来たのが國學院。4年生の柱は去年と同じ区間、藤木、中西大、茂原のリザーブもどちらかというと「往路のもしも」に対応するためのものに見え、チームとして順調なことが伺える。中央学院も控えに駅伝経験者が多いとはいえ主力級に大きな抜け漏れがなく、変更のありそうな区間・ランナー共に正攻法に近い印象を受けた。今年は「シードの門番」以上のポジションが期待できそうだ。

 順天堂は少し変化球で来た。1区職人の野口が4区にコンバートされ、1区はエースの橋本、成長株の原田、ルーキー西澤のどれもがありえそう。一方で復路は例年通り上級生をずらっと並べる富士ができそうだ。

 やはり苦しいという印象が強いのが法大と拓大。法大は往路を現有戦力で最大限戦えそうな形を作り、拓大も当日交代を含めれば主力選手を全員起用できそうだが、全体的に力不足感が否めない。

【変更予想】

法政:7区増田、8区岡原、10区清家

國學院:1区藤木、4区中西大、9区茂原

順天堂:1区西澤、3区橋本、8区澤藤

拓殖:1区清水、3区赤崎、8区竹蓋

中央学院:3区小島、4区高橋、9区有馬

 

【予選1〜5位】

 本大会のナンバーワン策士・大志田監督率いる東京国際大学は、昨年度の「1区モグス」を伏線としてまさかの「留学生隠し」を行ってきた。とはいえ今大会は他大学の様子を見てもハイペースにはならなそうなため、素直に1区真船、3区ヴィンセントが鉄板だろう。ただし、「1区に留学生が来るかもしれない」というプレッシャーをかける効果は確かにありそうだ。他のメンバーについても長い距離に実績のある選手を素直に配置できそう。

 日体大創価は比較的素直なオーダーか。とはいえ創価は成長株の原富と主力の福田、ルーキー葛西のうち一人は往路を走れず、日体大は準エースの中川が10区と、少しずつ気になる点はある。

 神奈川・明治はそれぞれ平地で戦えるエースを山に回してきた。その分「花の2区」が経験の薄い選手になるのが気がかり。そして復路の陣容がかなり充実している点でも同じ。シード権争いの命運は2区・5区の選手の出来にかかりそうだ。

【変更予想】

東京国際:1区真船、3区ヴィンセント、6区菅原、7区丹所

神奈川:1区荻野、7区川口、10区安田共

日本体育:4区𢌞谷、5区藤本、8区大内宏

明治:2区手嶋、10区河村

創価:4区葛西、6区石津、7区福田

 

【予選6位〜10位+連合】

 色々とうまくいっていない部分がありそうなのが中央大学。往路が3枚替え前提の布陣、エースの森が7区と不思議な布陣になった。3枚替えができれば1区舟津・4区池田など経験者を中心にそこそこ強力で、2区川崎がハマればリターンも大きい。どうなるか。

 その他の大学はやりたいことができるエントリーなのではないか。筑波は予選会上位メンバー+大土手の往路は楽しみで、かつ復路に川瀬を残した。日大は松木3区が気になるが、ほとんど当日交代をしなくていいようなエントリーになっている。国士舘もW清水と長谷川、W加藤と補欠に入るが、調子の良い選手でカバーできるだろう。そして早稲田。序盤に中谷と井川のタレントを揃え、終盤はロードに強い選手が並ぶ。6区もスピードスター・半沢が降るのであれば面白い。

 忘れてはならないのが関東学生連合。順当ならば28分台4人で序盤4区間を固められ、かつ復路に麗澤の宮田を残せるため、シード権争いのラインでは戦えそう。山の人選はかねて予想されていた「5区吉井、6区外山」とは違う形になったが、これも期待大だ。

【変更予想】

筑波:3区猿橋、8区小林、9区川瀬

日大:3区樋口

国士舘:1区清水拓、3区長谷川、8区加藤雄、10区清水悠

早稲田:1区井川、3区中谷、9区新迫

中央:1区舟津、3区三浦、4区池田

連合:3区菅原、7区宮田