〼(ます)健の備忘録

置き去りにしてしまいそうな好奇心を残せたら良いな。

ニューイヤー駅伝区間賞・順位予想

 ニューイヤー駅伝のオーダーが発表された、ということで、「実業団選手にも注目する」ことを謳った当ブログでは区間賞予想および順位予想を行っていく。この記事が「お年玉」獲得の一助になれば幸いである。

(もちろん外しても責任を取るものではございません)

 

○「お年玉」とは?

 各区間区間賞者を予想し、正解者の中から抽選で3人に「区間距離1kmあたり10,000円」が当たるニューイヤー駅伝番組内企画のこと。詳しくはニューイヤー駅伝ホームページ参照。

 

ニューイヤー駅伝オーダー:http://www.jita-trackfield.jp/jita/wp-content/uploads/2019/11/2020_NewYearEKIDEN_kukanorderlist_1230.pdf

 

 

・1区:例年の傾向から「末脚がある」選手の予想が鉄板

区間賞】

2019:中村(九電工

2018:遠藤(住友電工

2017:戸田(日清食品

 例年スローペースに始まり、ラスト1kmからの差し合いとなる区間。上に挙げた区間賞の選手はもちろん、区間2位以下の選手にも服部(トーエネック)や山口(愛三工業)などスパートの強い印象のある選手が並ぶ。

 本命予想は服部(トーエネック年末の日体大記録会5000m最終組でも体のキレを見せつけている。対抗は経験豊富で末脚鋭い梶原(ひらまつ病院)、高校生時代から一貫してスパートの巧みさを感じるルーキー、小山(ホンダ)にも注目したいところ。

 

・2区:本命不在の戦い、強いて挙げれば冬場のトラックが指標になるか。

区間賞】

2019:ケモイ(愛三工業

2018:カロキ(DeNA

2017:カロキ(DeNA

 全く傾向が読めない。一昨年度までの区間賞者カロキは抜群の安定感を誇っていたが、昨年度については区間賞を獲得したケモイ、区間2位のケイタニー(トヨタ紡織)も決して前哨戦でいいレースができていたわけではない。一方で、八王子ロングディスタンスである程度結果を残している選手は上位に食い込んでいる印象。(キメリ(富士通)など)

 本命はクルガト(中電工)。昨年度から高い安定感を発揮しており、八王子ロングディスタンスもまずまずの結果と、好記録を計算できる選手。対抗馬は昨年度区間2位で八王子でも好走したケイタニー(トヨタ紡織)、そしてルーキーながら目下絶好調の日大戦士、ワンブイ(NTT西日本)も侮れない。

 

・3区:攻めるタイプのスピードランナー・経験者が強い

区間賞】

2019:鎧坂(旭化成

2018:市田孝(旭化成

2017:大石(トヨタ自動車

 「変動の3区」というだけあって、スピードがあるのが前提として勇気を持って突っ込める選手が区間順位としては良い形になる、という印象が強い区間。だが、それ以上に「経験がものを言う区間」という印象も強い。と言うのも、

2019上位5:鎧坂(旭化成延藤(マツダ—牧(スバル)—田村(住友電工)—藤川(中国電力

2018上位5:市田孝(旭化成)—高橋(DeNA)—松枝(富士通—小松(NTT西日本)—石川(愛三工業

2017上位5:大石(トヨタ自動車上野(DeNA六野旭化成菊池(コニカ—円井(マツダ

2016上位5:上野(DeNA菊池(コニカ大石(トヨタ自動車—佐藤(日清食品)—松田(SGH)

※下線は直近4年間で出走した選手

 と、上位の顔ぶれだけ見ても同じような選手が上位争いしていて、経験がものを言いやすい区間だと言えそうだ。

 本命は前年度区間賞に迫った延藤(マツダ。3区経験豊富なコニカ菊池と迷ったが、今年の勢いでいえばこちらの方が本命とみる。対抗はその菊池(コニカ)と、こちらも駅伝ではめっぽう強く、昨年度区間5位で走った藤川(中国電力)。

 

・4区:MGCファイナリストの共演

区間賞】

2019:井上(MHPS

2018:設楽(ホンダ)

2017:市田孝(旭化成

 こちらは「華の4区」と呼ばれ、ハーフマラソン並みの距離があるエース区間。ここ2年はMGCファイナリストになるような選手、そうでなくともハーフマラソン・マラソンに強い選手が多く起用されている。昨年でいえば、井上、今井(トヨタ自動車九州)、岡本(中国電力)、山本(マツダ)、中村(富士通)などが該当するか。その中でもスピードがあり、この時期好調な選手が素直に区間賞を獲得している印象。

 本命は設楽悠太(ホンダ)MGCでも思い切った先行逃げ切り策をうち、30km少しリードを持たせていて、地力と調子の良さを見せている。対抗は同じくMGCファイナリストで安定感が持ち味の井上(MHPS)、山本(マツダ)、そして昨年区間2位、MGCでも好成績を収める大ベテランの駅伝男・岡本(中国電力)あたりか。

 

・5区:速さより強さが求められる区間

区間賞】

2019:服部(トヨタ自動車

2018:村山謙太(旭化成

2017:村山謙太(旭化成

 強い風と上り坂に苦しめられ、コンディションとしては短くなった「箱根駅伝・華の2区」とも言うべき区間。こうした悪コンディションに加え、単独走にもなりやすい区間のため、それこそ箱根駅伝で2区・5区を任されるタイプの馬力のあるランナーが強い。直近の区間賞者の服部、村山謙太ともに2区を任されており、何度もこの区間を任されている山本浩之コニカ)もかつて東洋で2区を任されていたことからも伺える。

 今年の本命はやはり服部(トヨタ自動車だろう。MGCで一人で追い込める点・ビルドアップができる点を示した。対抗馬はその服部のライバル・村山謙太(旭化成)となるか。基本的にはこの2人のマッチアップとなるはずだ。

 

・6区:優勝チームが「エンドカード」を切る

区間賞】

2019:市田宏(旭化成

2018:市田宏(旭化成

2017:市田宏(旭化成

 この区間は何と言っても優勝チームが区間賞の走りで独走態勢を築いて優勝につなげてきた区間。直近3年間は市田宏(旭化成)、その前は田中(トヨタ自動車)が区間賞をとってきた。曲がりの多いコースの特性上、逃げるランナーの方が優位に立ちやすい、と言う側面もあるのだろうが…

 本命は田中(トヨタ自動車旭化成が例年から選手を変えてきたこと、トヨタ自動車が今大会では十分上位で6区につなげる可能性があることから、「エンドカード」の面目躍如の走りを見せてくれそうだ。また、調子を落とし気味とは言え復調すれば対抗に上がるのがベテランの今井(トヨタ自動車九州)と2年目の田村(住友電工)か。加えて、ルーキーの林(GMOアスリーツ)も面白い走りを見せてくれそうだ。

 

・7区:展開により主役が変わる

区間賞】

2019:古賀(安川電機

2018:早川(トヨタ自動車

2017:野口(コニカ

 優勝が決まる区間ではあるが、風が強く吹きやすいコースの性質上、大学駅伝のように先頭を走るチームがそのまま区間賞をとるというよりは安全運転に徹し、後方の集団からするする追い上げる選手の方が区間賞を取りやすい印象を持った。事実、昨年度区間賞の古賀(安川電機)は集団から追い上げての区間賞だった。

 本命は鎧坂(旭化成だろうか。後述するが、今年は6区までにトヨタ自動車が先着する可能性が高く、追う立場になるのは旭化成になると予見できるからである。もちろん、立場が変わればトヨタ自動車のアンカー早川も対抗としてあがる。また、「入賞争いからの追い上げで区間賞を取る」可能性があるのが二岡(中電工)。世界陸上でのダメージが抜けて本調子になっていれば、7区に配置されるような選手ではもはやないと自分は考える。

 

【順位予想(入賞まで)】:旭化成vs自動車メーカー連合

1位:トヨタ自動車

藤本—コシンペイ-西山—大石—服部—田中—早川

2位:旭化成

茂木—キャプシス–市田宏—市田孝—村山謙太—小野–鎧坂

3位:マツダ

山本—ギデオン–延藤—山本—向—廣–円井

4位:コニカミノルタ

野口–ランガット–菊池—蜂須賀—山本—我那覇—宇賀地

5位:ホンダ

小山—キルイ–中山—設楽—田口—山中—原

6位:中国電力

北—ウェスリー–藤川—岡本—松井—森本—清谷

7位:愛三工業

山口–ケモイ–石川–鈴木–管–中舎–中西

8位:中電工

東—クルガト–相場–松尾–大崎–畑中–二岡

 今回の1位はトヨタ自動車と予想。というのも、旭化成のメンバーの区間コンバートの様子から、「実はあまりコンディショニングがうまくいってないのでは」という考えが頭をよぎったからである。その隙を往年のようにトヨタ自動車が「5区で追いつき、6区田中が止めをさす」形で仕留められる布陣を敷いてきたように映った。そして3位のマツダも、3区4区に区間賞候補者を固めている点で中盤先頭争いをする場面が訪れる可能性が出てきた。5区を走る向の頑張りが大事になってくるか。4位〜6位の実業団は流れを決める3区・4区がしっかりしている点で中盤に上位グループにつけて後半に伸びていくと予想した。

 7位と8位に予想したのが今回の躍進枠。愛三工業は3区4区こそ上位チームより少し見劣りする部分があるが、5区以降の選手層は以前上位争いをしていた大会よりよくなったと見る。中電工に関しては、まず2区の有力インターナショナル戦士・クルガトで一つ波に乗れ、日本人選手も地力をつけているためこの位置と予想した。