全日本大学駅伝展望〜箱根予選会経由大学編〜
最後になるが、「箱根駅伝予選会」を1週間前に戦ったチームの戦略を考えてみる。最も考えないといけないのは、
「ハーフマラソンを2週連続で走ることは、コンディション的に難しい」
ということだろうか。(このことは元箱根戦士の森井選手も言及していた。)
つまり、これまで仮説として挙げていた
・長距離区間にエース級を配置する
を実践できる大学は少ないことを考えなければならないか。
ちなみに、7・8区にエースを置かなかったのはこれまで紹介してきた昨年のオーダーでは
昨2位 東海:西川3-關1-館沢1-西田1-鬼塚1-郡司1-湊谷2-湯澤2
昨9位 明治:明治:鈴木14-阿部6-三輪6-小袖6-村上6-斉藤6-角出7-佐々木9
が該当するだろうか。こうした場合、
・エース級を惜しげなく前半区間に注ぎ込む
という戦略が、こうした大学群の中ではメジャーになると予想する。これを踏まえて予想を行う。
○城西大学
菅原–荻久保–菊池–松尾–大里–熊谷–宮澤–志賀
まさかの予選落ちを喫した城西大。だが、全日本の序盤区間くらいの長さに適性を持つ選手が多い。こここそ前半から予選会よかった選手を連投し、伊勢路に爪痕を残すと考える。前半5区間は箱根予選会上位5名を惜しげも無く起用、6区は1年生熊谷でつなぎ、ロング区間はハーフマラソンから主力の一角に上り詰めた宮澤と唯一予選会を走らなかった志賀でどうか。
相澤–伊藤–丹所–山瀬–山谷–芳賀–ムセンビ–内田
昨シーズンからやりたいことをやりつつ、新戦力を試すという意味でバランスの良いオーダーを組めるのではないか。ロング区間には留学生のムセンビと実力者の内田が配置され、その前の区間についても主力と遜色のない力のある芳賀、山谷の起用があると予想する。その一方で、昨年から構想のあったという「1区・相澤」を試し、エース伊藤がいい流れを作り、3区4区の主力にいい形で駅伝経験を積ませることができよう。
○明治大学
鈴木–手嶋–櫛田–小袖–河村–小澤–前田–三輪
エース級以外は三輪と予選会上位のメンバーを中心に組んでくると予想。そのエース級の鈴木・小袖は昨年と同じ区間で走ると予想する。そしてシンデレラボーイ手嶋はエース区間の2区であろう。1年生や中距離出身の河村は負担の少ない区間を担当するのが妥当だろう。ロング区間は「温存」されていた三輪に最後の勝負を託すまでは予想できるが…もうひと枠はロードから台頭したイメージのある前田と予想。
井川–太田智–千明–鈴木–小指–太田直–吉田–新迫
怪我の報道があった中谷は走らないものとして考えた。井川・鈴木に加え、トラックシーズンよかった小指の3人のルーキーは競り合いの中で勝負させるのではないか。そのために、ルーキーの間2区間にエース区間で戦える太田智、千明を置くと予想。安定感のある太田直がつなぎ、ロング区間は7区にロードに強いと言われている吉田、そして8区、こちらも「温存」してあった主力・新迫で勝負に出るか。
大内–池田–山口–富田–太田–名村–中川–加藤
この大学を考える上で、山口・中川・池田の柱をどこに配置するか迷った、が、この大学に関してはあえて1区には誰も置かず、全日本予選・箱根予選で一定の成績を残した大内の抜擢があるかも、と考えた。その後ろに競り合い経験の豊富な池田と山口、もう一人の柱・中川は単独走区間経験が多かったため終盤区間がいいか。他は箱根駅伝予選会でよかった太田と名村、実績のある富田でつなぎ、ロング区間もう一人は加藤と予想。
以上、駆け足となるが関東15校の予想とした。