〼(ます)健の備忘録

置き去りにしてしまいそうな好奇心を残せたら良いな。

箱根駅伝最終走にかえて〜箱根路を走った選手たち①〜

 箱根駅伝が青山学院の優勝に終わり、いよいよ三大駅伝も終わりましたが、その番組内コーナー「箱根駅伝最終走」に触発され、先にこのような企画記事を書くに至りました。箱根路を走った選手たちを、持ちタイム別に紹介していきます。

 「出雲全日本だけ走った選手はどうなんだ」という声もあるかと思いますが、そこは割愛させていただきます。ご了承ください。

(着想はフリーダムさんのブログ

https://hakonankit-fd.com

内でかつて行われていた企画です。)

 

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 このゾーンの選手は、5000m15分台〜から箱根路出走に上り詰めた選手たち。一番活躍を見せたのは東国・相沢選手でしょうか。2年時の鶴見一斉スタートの集団でいい走りを見せて主力に名を連ね、3年時箱根予選会での「伊藤超え」や4年時9区での快走が印象的でした。

 4年時に輝きを放ったのが山下り58分台を叩き出した青学・谷野選手と、28分台ランナーになり急成長を遂げた日大・廣田選手。「サテライト」上がりの山梨学院・山田選手や上武の鴨川、齋藤コンビも上級生になってからチームの中軸を担っていました。

 玉澤選手は3年生になってようやく入部を認められた選手。学生連合で出走した溜池選手はブラインドランナーの伴走者としても活動しているそうです。

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 早速三大駅伝区間賞者が登場しました。城西・荻久保選手です。箱根路はなかなか縁がなかったものの、出雲1区や箱根予選会での快走、そして何より伊勢路での2年連続区間賞はファンに強烈なインパクトを残しました。彼と同じく最後の箱根路で見たかった選手がもう一人、上武・佐々木選手。関東インカレハーフマラソン帝京大青学大の猛者を抑えて表彰台に上った選手です。逆に最後の箱根路での復活を見られて嬉しかったのが拓大・中井選手。2年時に9区7位と走れたものの、3年時は全く姿を見せず。どうなるかと思ったらそこから4年時に復活し、三大駅伝は全て長距離区間を任されました。

 国士舘の鼡田選手・石川選手も長距離区間を担った選手。特に鼡田選手は3年間山を登り、最後こそ不本意な結果となりましたが留学生に並ぶ国士舘のストロングポイントになりました。

 他の選手は上級生になってから台頭した選手ということもあり、日体大森田選手、中央学院の藤井選手は8区、山学・宮地選手や連合・上土井選手は4区と、難しい区間をそれぞれ任されました。

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  箱根駅伝4年連続出走者がここで登場。國學院・土方選手です。1年春から持ちタイムをぐっと伸ばし、チームが出場した駅伝全てに参加。2年時の4区3位の走りから殻を破って3年から主将を務めました。その後も関東インカレハーフマラソンで優勝など結果を残し続け、箱根では華の2区を任され、國學院の躍進の核になりました。

 躍進著しい麗澤の両輪・国川選手と宮田選手は同じような持ちタイム帯出身。箱根駅伝予選会は2年連続次点となったのが惜しいところですが、麗澤が予選会で戦えるチームになったのは彼らの尽力が大きいと思います。

 他には、東京国際の上昇とともに頭角を現した山瀬選手、「復路で粘れる」と監督が太鼓判を押した神大の森・古和田選手、チームでは後半区間を任されることが多かった城西・中原、順大・鈴木選手ら、「チームの脇を固めるいぶし銀」が多い印象です。早くからチームで台頭した国士舘・福田選手は3年間かけてリベンジに成功した格好です。

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 駅伝ファンの記憶に新しい、筑波大復活を牽引したエース、金丸選手がここで登場です。予選会では上位に食い込み、本戦は2区区間19位ながら69分半ばは十分すぎるタイムでしょう。強烈なインパクトといえばもう一人、3年時の箱根8区で巧走しシードラインを引き離し、中央学院ファンを歓喜させた大濱選手もいますね。

 この持ちタイム帯の選手は名門大のファンから期待されたものの、苦しんだ選手が多い印象です。筆頭は日大の阿部。2年時の学生連合での出走から台頭し、3年時の全日本大学駅伝や4年時の関東インカレで長い距離の強さを証明したものの、4年時途中から調子を崩し、勝負レースは出走できず。実業団での復活を願ってやまない選手です。同じく日大の小坂選手、日体大の山下り濱田選手、関東インカレで活躍を見せた早稲田の大木・真柄両選手も該当するでしょうか。

 一方で最後にチャンスをつかんだ選手として、連合に選ばれてリーダーシップを発揮した阿部選手や、コツコツと記録を伸ばしてきた高林選手がいます。

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 いよいよ箱根駅伝区間賞者が登場。國學院「三本柱」の一角、浦野選手。1年時こそ6区で失敗したものの、2年時春から爆発的に記録を伸ばし、チームのエースになりました。インパクトとしては3年時の山登りでただ一人70分台で登りきっての区間賞が一番でしょうか。更なる飛躍が期待できる選手です。他にもこの持ちタイム帯からは山に挑んだ選手が多く、大東・佐藤選手、創価・築館選手、上武・橋立選手の3人は、山登りの適性を謳われ天下の険に挑みました。

 その他の選手もチームの中軸を担う選手ばかり。専修・長谷川選手は2年時の箱根予選会から一気に伸びてエースになりましたが、箱根駅伝は出遅れた中での2区で区間最下位。学生連合のレギュレーション変更でリベンジの機会が訪れなかったことが悔やまれます。中央学院の川村選手、城西大学の西嶋選手も大学のエースの一角として名を挙げました。山学・川口選手はチームとして苦しい時期に主力に定着した選手です。

 最後の年に存在感を示したのが4年時箱根10区区間新の吉野選手、中央学院の4区を任されまずまず走った城田選手でしょうか。

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 この持ちタイム帯になると、流石にチームのエース格が増えてきます。一番の出世頭は東国・伊藤選手で間違い無いでしょう。2年時から2区を任されるほど成長すると、3年時に一旦足踏みしますが、4年時はユニバーシアードハーフマラソン出場に始まり、各勝負レースで日本人トップを総なめにせんばかりの活躍を見せました。最後の箱根も学生最強・相澤選手相手に退かないレースで魅せましたね。そんな伊藤の相棒としてチームを支えた内山も、東京国際の躍進に不可欠なピースでした。

 法政の青木は、2年時に箱根の山を制したことで一躍話題に。前哨戦含め、チームが苦しい順位でも決して失敗しない勝負強さが印象的です。卒業後はトラックで世界をということで、主戦場の3000mSCで輝いてほしい。駒澤・山下は中継ミスが話題になることもありましたが、本質的には長い距離に非常に強いタフな選手で、マラソン挑戦が今から楽しみな選手の一人です。山梨学院首藤はトラックに強くて全日本大学駅伝予選で活躍していましたし、帝京小森、中央学院有馬選手も長い距離・タフな展開で強みを見せた選手でした。法政松澤、國學院茂原各選手も、苦しむ期間こそあれど押しも押されもせぬチームの主力として箱根路を走りました。

  

(後半へ続く)