〼(ます)健の備忘録

置き去りにしてしまいそうな好奇心を残せたら良いな。

箱根駅伝区間予想②優勝争い大学群

 第2回は「優勝を狙う大学群」である青山学院、東洋、駒澤、帝京の4チームについて、予想と展望を。

 

青山学院大学

4年:鈴木、谷野、中村、吉田祐

3年:市川、岩見、神林、神号、吉田圭

2年:飯田、早田、湯原

1年:岸本、近藤、中倉、宮坂

 

区間配置予想】

湯原–吉田圭–中村–岸本–市川

谷野–吉田祐–飯田–神林–鈴木

 原監督のタクトの傾向は選手の調子によってまちまちではあるが、

・1区は前との差を最小限に止めることを重視(1)

・3区にジョーカー(渡邊、秋山、故障明け森田など)(2)

・山区間に関しては大抜擢がある(3)

・復路のジョーカーは固定する(小野田、林、下田など)(4)

くらいか。その中で考えてみる。

 まず、(1)の点はここまで1区大外しのない湯原が良いか。(2)の点でいうと、10000m記録挑戦会で校内トップ、かつ全日本6区はしたたかな走りで「追い」の強さを見せた中村と予想。(3)の点は壮行会や雑誌情報で噂のある市川、谷野が大抜擢されるか。(4)について、該当するのは昨年度8区区間2位のデビューを果たした飯田と、復活途上のキャプテン鈴木。(吉田圭は往路起用があると予想)これで半分が埋まる格好になる。8区、10区は東海大学に対しアドバンテージを獲得できそうで、3区もターゲットとの差を最小限には留められるはず。

 それを踏まえて他の区間を考える。原監督はエース区間にエース以外を置くことは非常時以外ないイメージがあるので、2区はエースの吉田、4区はスーパールーキーの岸本。この2枚看板で勝負にくると予想。そして7区と9区はこれまた通年走れている吉田祐、神林の箱根デビューと予想。下りに強いと言われている神林を下り基調の9区に据えた。

 

東洋大学

4年:相澤、今西、定方、渡邊

3年:大澤、田中、西山、吉川

2年:蝦夷森、宮下

1年:及川、久保田、清野、古川、前田、山田

 

区間配置予想】

西山–相澤–吉川–定方–田中

今西–大澤–宮下–蝦夷森–渡邊

 近年の東洋大学の箱根の区間配置は単純明快で、

・状態がよく、実力のある選手を前の方の区間から使っていく

 (適性は考慮する)

という形となる。また、本大学は箱根への調整能力が高いことで有名であり(昨年度絶不調の西山が1区区間賞、怪我離脱のあった吉川が3区4位、相澤が4区区間新)、そのため、すべての選手が好調を取り戻したと仮定してオーダーを予想する。

 1区〜3区、5区6区はいうまでもなく好走経験のある選手を並べた。目下2年連続1区区間賞の西山、説明不要のエース相澤、昨年度青学のエース相手に引かない走りを見せた吉川、こちらも目下2年連続山の田中、今西コンビ。その間の4区はエースと呼んで差し支えない走りを前哨戦で見せている定方を投入するか。

 復路平地区間も、出雲で追いの強さを見せた大澤、長い距離に強みを持つ宮下と蝦夷森、そして復活の渡邊を今期の状態順に並べた結果、上記のような予想になった。昨年度は1枚2枚足りない印象を受けたが、今年は絶好調ルーキー、清野が当落線上なので去年より状態は良さそうだ。

 

駒澤大学

4年:大坪、大成、大聖、山下

3年:伊東、小島、加藤、神戸、小林

2年:石川、佃

1年:小野、田澤、酒井、皆木、山野

 

区間配置予想】

大聖–山下–小林–田澤–伊東

大成–小島–石川–加藤–神戸

 駒澤大学の名将・大八木監督の傾向としては

・1区重視。もったいなかろうとエース格を1区へ。

・本当に実力がなければルーキーの即時起用は少ない。

・山は経験者の起用が多い。

 くらいか。以上のことから、1区5区6区は固まる。1区は全日本で1区を走り復活をアピールした大聖。5区6区は据え置きという形か。

 とすると、もはやルーキーとは思えないルーキー、田澤はどこになるのかが焦点となる。村山謙太(現旭化成)はルーキーイヤーにいきなり2区を担当したが、それはチーム状況による部分も大きいだろう。というわけで、2区は3年連続の山下、そして田澤はこれまたエース区間と言われる4区と予想した。間の3区は前哨戦で藤ファンを歓喜させた小林。前年の中村大聖のような粘りの走りができると予想する。

 復路について、小島は以前も走った7区、単独走に強いと太鼓判の加藤は9区、他の候補は神戸と石川ということになるか。駒澤の10区は堀合や伊勢なども担当した実力者区間のため、神戸を10区に予想した。

 

帝京大学

4年:岩佐、小森、島貫、田村、平田、吉野

3年:小野寺、谷村、鳥飼、日野原、星、増田

2年:遠藤、中村、橋本

1年:新井

 

区間配置予想】

星–平田–遠藤–岩佐–小野寺

島貫–増田–橋本–小森–中村

 中野監督の采配傾向としては、

・2区は四年生エース(高橋、内田、畔上など)

・4区は実績のあるランナー(竹下、横井など)

・10区はホープ枠(島貫、星など)

というものがあるため、2区は今年覚醒を見せ、もともとアップダウンにも強かった平田、4区に経験豊富な岩佐、10区にセブンヒルズで遠藤を破り波に乗る中村というのはすんなり予想できる。また、5区6区もそれぞれ経験者が控えているので、任せる形になるか。特に5区小野寺は、一皮向けた状態で悔しい結果に終わった昨年度のリベンジを果たせるかに焦点が集まるだろう。1、3区のスピード区間は星、遠藤といった10000mの持ちタイム上位組が有力か。

 復路については昨年度までの傾向を見ても「調子のいい選手」が選ばれている印象のため、誰が出ても不思議ではない。強いて挙げれば、9区は3年連続になる小森、7区8区は上り調子の橋本、増田が良いか。

 

東海大学予想オーダーと比較して

 前回の記事

 https://masdan1031.hatenablog.com/entry/2019/12/15/170529

 の「東海大学」のオーダーと比較した時の印象とすると、往路5区間で確実に東海より優位に立てるのは東洋大か。予想オーダーで比較すると2区相澤で1分、4区定方で30秒は期待できる。とはいえその貯金は5区で無くなってしまうことも想定されるので、なおのこと西山、吉川の状態がカギを握るだろう。

 逆に復路で優位を得られそうなのは青山学院か。往路を走ってもいい実力を有するランナーが並んでいるため、どこかの区間では大幅な貯金を望めるだろう。

 駒澤、帝京はどうしてもミス待ちの形になってしまうのは否めないか。とはいえ、この2校については山を含めた「穴のなさ」が強みなので、まだまだ優勝の可能性は残っていると言えるだろう。とはいえ國學院や、次に解説する順天堂、東京国際に足元をすくわれる可能性もあると見ている。