長距離の、ファンはいかにして作られうるのか①
久しぶりの投稿になりますが。
さて、「自分が好きなもの」の魅力について、しっかり発信できますか?
最近は、「陸上長距離」という領域において、これが非常に難しいと感じたのです。職場で「駅伝のどういうところが楽しいの?」と何気なく聞かれた時に、
「自分の持つ「陸上を観るのが好き」は、「試合を観る前に持っている、たくさんの競技知識や選手ドラマ」に依存していて、初見の人にカジュアルに語れない」
と、気づいたのです。そこで下のようなちょっとしたリサーチをしてみました。(少し論文調です、あしからず)
1 テーマ設定
陸上長距離、駅伝についてよく言われる「魅力」について知人に聞かれた際、伝えようとした「魅力」と呼ばれる点について自問自答を行ったことが、このエントリーのきっかけ。
・「走る姿がかっこいい」
→感性を相手と共有できているか?
・「選手一人一人にドラマがある」
→このドラマの背景を相手と共有できているか?
・「ただ走るだけではない、駆け引きや戦略がある」
→この戦略を語る上で前提となる知識(中長距離でいう1km○分○秒というデータや、持ちタイムに対する評価)が相手と共有できているか?
そこで、「どのようなきっかけで、人は陸上・長距離の観戦にはまっていったのか」を掘り起こすことで、「初見の人に対して、どのようなことをアピールしていくのが良いか」ということを考えていく。こうした「好きの入り口」を見つめ直す行為によって、あらゆる文化・スポーツ活動の「ファン」を増やす、ひいては「プレイヤー」を増やすことに援用できるはずだ。
2 手法について
Twitterで「#フォロワーの皆さんが○○ファンになったキッカケが知りたい」というハッシュタグが複数観測されているので、これを元のデータとする。
※ただし、「もともと陸上・駅伝に興味があったが、途中でファン対象を切り替えた」ことが読み取れるものについては対象から場外する。
その後、そのツイートを「ファンになった要因」ごとにグルーピングを行うことで、「ファン」になる契機の類型化を行う。ただ、これについては大手リサーチサービスが一つのデータを提示している
https://www.asmarq.co.jp/data/ex2704sports-kansen/
ので、それを前提にして、「陸上長距離」の実態に即した上で事前に類型をいくつか用意しておく。
①陸上長距離が好き、経験がある
→先行調査「見ていて興奮する」「ルールが面白い」「自分がやっていた」
②陸上長距離の特定チームが好き、属している、優勝したチームに惚れた
→先行調査「応援しているチームがある」
③陸上長距離の特定選手、スタッフが好き、知人である
→先行調査「応援している選手がいる」
④知人の影響
→先行調査「家族・知人が好きなスポーツ」「家族・知人がやっていたスポーツ」
先行調査と比べ特異な点として、
・②について、陸上長距離は「学生スポーツ」「実業団スポーツ」の側面があるため、「属しているから」という理由があると仮定した点。
・先行調査の「応援が楽しい」という項目については、陸上は野球・サッカーのような応援団による「不特定多数による組織的応援」文化があると言い難いため除外した点。
(この辺の手法については学問的にはかなりいい加減です。あしからず)
3 結果について
・サンプル数:135(東洋・駒澤・東海大のタグを参照)
・各項目ごとの数
①1 ②22 ③94 ④15 他3
※③のうち、「柏原竜二」に言及したものは38
と、いうわけで、ファンになるきっかけとして(Twitterでのサンプルということで年齢層等に偏りがあるのは承知だが)「特定の選手」に関するものが過半数を占めていて、特に新春のお茶の間に「箱根の山でごぼう抜き」というわかりやすい衝撃を与えた柏原竜二の貢献度が大きいことがうかがえる。
さしあたりこの辺で。もっと深化させた考察は後日に。