〼(ます)健の備忘録

置き去りにしてしまいそうな好奇心を残せたら良いな。

区間エントリー予想:日本体育大学

 次は、監督の方向転換がどうなるか?が試されるチーム。

 

【エントリーメンバー】

志賀4、林田4、室伏4、宮崎4                                                                  

白永3、冨田3、中川3、濱田3、廻谷3、森田3、山口3                                

池田2、岩室2、亀田2、福住2                                                                     

大内1

 

 上尾ハーフ、日体大10000mでよかった選手を中心にエントリーがされている印象だが、伸び盛りのルーキー、加藤が抜けたのは少し残念。

 

区間配置予想】

池田−山口−中川−亀田−室伏

廻谷−岩室−濵田−林田−志賀

 

 このチームは監督の方針で「11月上尾ハーフ、12月記録会」の二本のレースを重視するという情報がある。そこで、この二本のうちどちらかの結果が良い選手を中心にメンバーを予想する。そして。選手の自主性を重んじるとのことなので、選手本人の希望区間も大いに参考になる。

 1区は前哨戦から1区の池田。全日本では区間13位ながら粘り切った。今回も集団の中で粘れるか。2区3区は昨年度からエース級の働きが期待されていた山口、中川の2人と予想。前哨戦では完全に主要区間の洗礼を浴びたが、前回の箱根も、選考レースも最上位の結果の2人。今度こそ勝負できるか。そして4区はその選考レースで台頭した亀田をいきなりの抜擢。ハーフ64分切りであれば主要区間でも健闘できるだろう。山登りは事前のメディア情報通り、本人が希望している室伏。1年時はまさに惨敗という結果だったが、それは前回の山登りで好走した小町も同じ。小町同様、輝けるか。

 復路も選考レースと本人希望から考えてみる。すると6区の廻谷がほぼ当確となるだろう。正直な話、いまの廻谷の実力と調子であれば2区でも十分通用するだろうが、本人がリベンジを熱望。ここで区間上位を取りたい。そして7区に岩室。こちらも往路でも記録が残せるであろう選手。前哨戦でも下位からしたたかな走りを見せた。復路なら区間上位も十分期待できる。長丁場の9区10区は4年生の林田、志賀が良いだろう。色々あった4年間の集大成を見せられるか。残った8区は上尾ハーフでチーム上位だった濵田と予想。この選手は全日本予選も出走するなど、チームでも指折りの実力者と言える。復路をきっちりとまとめてくれれば。

 

 泥臭いたたき上げのチームから、自主性を重んじるチームになったこの大学。しかし、泥臭い練習をベースに持っている選手が多く、箱根では前哨戦以上の結果も期待できる。シード権争いに、まずは割って入れるか。

区間エントリー予想:日本大学

【エントリーメンバー】

加藤4、佐藤4、ワンブイ4         

阿部3、金子3、松木3

遠田2、小林2、武田2、野田2、宮崎2、横山2       

大池1、北野1、鈴木1、山本1

 

 やはりスカウト成功した2年、1年が比較的多いイメージがある。しかし、そうした中で残った3年生、4年生は粒ぞろいな印象を受けた。

 

区間配置予想】

横山−ワンブイ−武田−北野−阿部

金子−加藤−野田−松木−佐藤

 

 往路は全日本大学駅伝で及第点以上の走りをした5人。1区は全日本で日大ファンを歓喜させた横山。集団の中区間7位で踏ん張ったこともあり、適性は高いとみる。2区に区間賞を狙えるワンブイがいる分、思い切って走ることができると考える。そのワンブイは区間賞筆頭候補。今年こそポテンシャルを発揮できるか。そしてそのあとの3区。留学生でジャンプアップした流れを失わないように安定感のある選手をおきたい区間、ここは出入りの激しい全日本2区で自分の走りに徹することができた武田が適任とみる。ここで流れを引き継いで、4区はスーパールーキーでアップダウンに強いと言われる北野を配置することが示唆されている。全日本6区でも悪い流れの中乗り切ったため、単独で走ることになっても問題ないだろう。そして5区には日本人エースを襲名した阿部。かなり登れるという情報もあり、全日本8区でハーフ距離の強さも実証済み。ここでどれほどいけるか。

 そして近年の日大の課題である復路。6区こそ伝統的に適正のある選手を見極めているが、それ以降で例年順位を下げているので、強力な選手を置きたいところ。まずその6区は指揮官も候補として名前をあげている金子。1年時から主軸を担っており、実績も申し分ない。ここで乗っていきたいところ。その次の7区に主将の加藤、これも武者監督の構想の一つ。もともとエース候補と呼ばれていた選手、復路であれば実力は十分だろう。8区に「2年生トリオ」の一人である野田、9区に実績のある3年生の松木と予想。この2人は全日本大学駅伝予選などトラックでは相当な実力者だが、ロードでは実力を活かしきれていないため、ここがキーポイントとなるだろう。最後の10区は4年かけて実力をつけてきた佐藤と予想。

 

 インカレ枠で箱根予選免除となり、長い距離に関しては未知数な部分も大きいが、全日本大学駅伝で戦える手応えをつかんだのが大きい。ワンブイを軸にどれだけ戦えるか。

 

                                                                                                                     

区間エントリー予想:東洋大学

 次もまた優勝候補「対抗」。出雲駅伝では青学をギリギリまで追い込んだこの大学。

 

【エントリーメンバー】

小笹4、中村拳4、山本4

相澤3、今西3、小室3、土壁3

大澤2、浅井2、大森2、田中2、田上2、西山2、野口2、吉川2

鈴木1

 

 主力の一人、渡邊は間に合わなかったか…これは痛いが、他の主力は全員揃っている。最も、このチームはそのエントリーした主力の状態が気になるのであるが。

 

区間配置予想】

西山−相澤−山本−小笹−田中

今西−吉川−鈴木−中村拳−大森

 

 まず考えたのが1区。田上が全日本で粘りの走りをしたが、優勝を狙うのであればもっと差をつけなければいけないと考え、復活の気配を見せた西山にかけると予想。全日本までは不振だったが、日体大記録会では横綱相撲を見せたため、経験のある1区ならば問題ないと考える。そこから2区・3区は昨年同様相澤、山本のコンビで逃げる格好か。特に相澤は今シーズン日本選手権で入賞するなど凄みを増してきており、2区でも区間賞候補に挙がる。4区は昨年から変えて小笹と予想。復調途上の吉川も候補ではあるが、駅伝シーズンで前を追い上げる走りが印象的で、いまの状態はこちらの方が良いか。3区まででビハインドだったとしても巻き返しができ、単独でも区間賞を取れる力量のある選手に往路の要を任せたいところ。5区6区はこれまでと変えず5区田中、6区今西。両者ともに走力をあげており、この2区間で昨年から2分削れると酒井監督も豪語する。ここで青学の飛び道具、竹石、小野田から逃げ切れるか。

 残すは復路の平地。7区はこれまた一人で前を追える吉川、出雲駅伝では青学との差を一気に詰めてプレッシャーを与えた。ここに置ければ追い、逃げ双方対応可能だが果たして。8区は鈴木。上尾ハーフで淡々と刻んで62分台を叩き出したシンデレラ・ボーイには復路に適性があるとみる。直近3大会で2回ルーキーの起用があったのもこの予想の理由。9区は中村、難コースの世田谷ハーフで入賞しており、調子も上がっているため適任か。そして最後に迷ったのは10区。全日本・箱根と出走経験が複数ある浅井という候補がいるものの今ひとつの成績が続いている。ここで、ハーフの実績はないが、思い切って目下好調の大森を入れても面白いかもしれない。

 

 青学との優勝争いを考える上では、去年若いメンバーで往路を獲った経験を活かすことができるかが、王座奪還の鍵になるだろう。酒井監督の手腕がより問われる箱根になるか。

区間エントリー予想:東京国際大学

 次は初の連続出場を果たしたこのチーム。

 

【エントリーメンバー】

浦馬場4、河野4、堤4    

相澤3、伊藤3、内山3、佐藤3、菅原3、モグス3、真船3、山瀬3

加藤2、佐伯2、渡邊2

會田1、芳賀1

 

 記録会や箱根予選会で調子の良かった選手は揃ってエントリーし、順調さをアピールする格好となった。ただし、山候補として名前の上がった伊藤千が抜けたのは気になった。

 

区間配置予想】

相澤−伊藤−モグス−真船−會田

河野−渡邊−山瀬−堤−佐伯

 

 この大学も序盤の並びはメディアでもかなり言及されているので、それに従って1〜3区を決めた。1区は相澤、昨年度は繰上げ集団の中でいい走りをし、箱根予選会では20位に入ったことを考えると1区は適任か。2区は監督の指名通り、伊藤だろう。10000m28分30秒台に上げてきたエース。ここで粘れば3区モグスで一気にジャンプアップを狙える。その3区を走るモグスは予選会で健在ぶりをアピールし、今回こそ「3区留学生」の戦略が猛威を振るいそうだ。この1~3区と楽しみな5区の間をつなぐ4区は前回1区を走った主力の真船と予想。スピードランナーの印象はあるが、走れる地力が一番あるのは真船。ここをなんとかしのげるか。

 そして山。実はこのチーム、相当特殊区間の眼力は高い印象がある(浜登、熊谷、河野と3人が成功といえる結果を残した)。そんな大志田監督が5区候補として名前をあげているのが1年生の會田。ここでいきなり好走があれば将来的にも大きい。下りは昨年度と同じく河野と予想。大志田監督は基本的に好走区間のテコ入れはしない監督なのでここは不動だろう。同じ理由で7区は実業団帰りの渡邊。ベテランらしく、大事な試合に合わせる力は随一で、出入りの激しい7区でもうまく走れるだろう。8区は新戦力、成長株の山瀬を投入と予想。9区はやはり実績を残した上級生が起用される区間。それはこのチームでも例外ではなく、4年生の堤と予想。そして10区、ここも東京国際では実力者が配置される傾向がある区間。そこに入るのは昨年から期待されている佐伯と予想する。前回の相澤と同じかそれ以上の走りを期待したい。

 

 初の連続出場を果たすのみならず、チーム上位層の実力はこれまで以上に上がり、層も少しずつ厚くなってきた。初の「完走」はもちろん、それ以上の結果も、あるかもしれない。

 

区間エントリー予想:東海大学

 次は優勝候補「対抗」の一校。

 

【エントリーメンバー】

東4、湊谷4、湯澤4

鬼塚3、河野3、郡司3、小松3、阪口3、關3、館沢3、中島3、西川3、松尾3

鈴木2、西田2

本間1

 

 28分台を誇る高田や塩澤、ようやく頭角を現した名取、そして実績十分の三上が抜けた。やはり黄金世代が多いなあという印象だが、河野のエントリーはかなり意外だった。

 

区間配置予想】

鬼塚−阪口−館沢−關−西田

中島−西川−郡司−湊谷−湯澤

 

 まず頭を悩ませたのが、雑誌・メディアで語られる「館沢8区」を実行するかどうか。もちろん実績ある8区に置ければ区間賞筆頭候補なのだが、優勝を狙うとなるとあまりにも登場が遅すぎるような気がし、かつ往路が1枚足りないイメージもある。そこで館沢を活かせる往路の区間、3区へのコンバートを予想。スピードがあり追いかける方が強いのならば3区は適任か。そこを起点に1区鬼塚、4区關と予想。1区に關か鬼塚の起用が濃厚とされていたが、關の方がどちらかといえば単独走もこなせる気がするため、關を4区とした。2区は昨年も走った阪口。前回大会は相当突っ込んで入って区間一桁でまとめた。経験がある分前回よりうまく走れるのではないか。これで「黄金世代ビッグ4」で往路を固める布陣になった。これで青学の前に立ちたいところ。

 山はほぼ確定的で、5区西田、6区中島。西田は志願の5区、ハーフの走力も申し分ない。どこまでやれるか。そして6区中島は前回区間2位、次は区間賞を狙える存在で、東海の切り札的存在となっている。

 そのあとの復路も実力者が並ぶ。7区の西川は初の1区以外となるが、7区なら実力は抜けていると見る。西出コーチも取材で重要と語る区間、好走を期待したい。8区〜10区は全日本の6〜9区と同じ並び。ハーフで実績を残してきた3選手。全日本では7区8区のエースにねじ伏せられた感じがあったが、9区10区であれば区間賞候補。粘り切れるか。

 

 黄金世代が3年になり、結果が求められる箱根となった。従来のスピードに加えて箱根への距離を意識した練習をミックスした1年の集大成は、どのような形で結実するか。

区間エントリー予想:帝京大学

 次に紹介するのは、3強の一角を食える実力をつけたこの大学。

 

【エントリーメンバー】

畔上4、竹下4、濱川4、横井4

岩佐3、岡3、小森3、島貫3、田村丈3、平田3、吉野3

小野寺2、谷村2、鳥飼2、星2  

遠藤1

 

 ただでさえ層が厚い帝京だが、メンバーに穴らしい穴がなく、誰が走っても上位になりそうなメンバーと言える。

 

区間配置予想】

竹下−畔上−遠藤−岩佐−小野寺

横井−島貫−平田−小森−星

 

 序盤3区間は特に迷う要素はないだろう。1区は全日本1区で関東勢トップの成績を残した竹下。持ち前のラストのキレが活かせるだろう。2区は前年のリベンジを期す畔上。全日本は復調途上に見えたが、箱根には合わせてくるだろう。3区はスーパールーキーの遠藤。初めの下りで突っ込んで粘ることが求められる3区で、持ち前の勝負度胸が生かされるだろう。それと5区は、上りの多い日本平桜マラソンで優勝した小野寺を起用するか。実績があり区間中位で登れる平田もいるが、上位で勝負するには新戦力の爆発力に賭けるのが良いと考える。

 迷うのが4区6区7区9区。特に6区を含めどこでも走れる横井、チームトップのトラックタイムの島貫の存在が予想を難しくさせる。が、往路4区はその2人ではなく岩佐と予想した。フルマラソン2時間14分台の実力と主要区間を担ってきた実績から、4区を任せるのではないか。6区に横井。やはり経験がモノを言う特殊区間ゆえにここは変えないと予想。そして7区に島貫。トラックタイムは良いのだが、往路で使うにはまだ駅伝実績がないのが気になった、が、爆発力は折り紙つき。ここで上位に浮上できるか。最後の3区間は上りのある8区に5区経験者の平田、9区10区は上尾62分台で走った小森、星と予想。9区は経験者の小森、そして帝京の10区は熊崎、杉山、堤や島貫といったネクストブレイク枠のイメージが根強い区間なので星の出走を予想。

 

 こうしてみると、序盤が速い展開であっても3強の一角を崩せるだけの選手層、ポテンシャルは十分あるように思える。89回大会以来の大躍進に期待がかかる。

区間エントリー予想:中央学院大学

 次は、「転んでもタダでは起きない」シーズンとなったフラッシュイエロー。

 

【エントリーメンバー】

市山4、釜谷4、樋口4、廣4、福岡4

有馬3、大濱3、川村3、高砂3、長山3、藤井3                   

石綿2、畝2、高橋2                     

栗原1、吉田1

 

 今回のシード校では一番のサプライズエントリー。上尾ハーフにも出場し怪我からの復帰を印象付けた横川が外れ、一方で今年度音沙汰なしの高砂が加わった。一方で、今年度の中軸は全員エントリー。

 

区間配置予想】

川村−高橋−栗原−石綿高砂

樋口−廣−藤井−有馬−市山

 

 まず序盤の1区2区は今年秋にブレイクを果たした川村・高橋の二本柱が良いか。1区川村はデビュー戦の出雲駅伝で高速1区に対応し、適性の高さを見せつけた。そして2区は昨年度4区で淡々と刻むクレバーな走りで反撃の狼煙をあげた高橋が適任だろう。川崎監督もこの2名の序盤起用を示唆しており、ここは鉄板と言える。その次の3区4区は迷ったが、出雲全日本と序盤区間を走り、格上相手に粘り切る「駅伝の走り」を見せたルーキー、栗原を3区と予想。塩谷、横川と期待のルーキーの3区起用が中央学院は多いので、そういった点からも予想した。そして4区。ここに赤丸急上昇の2年生、石綿と予想。出雲駅伝ではいきなりのアンカーでうまく走ったこともあり、出入りの激しい区間でもうまくやれるだろう。

 山、特に最も大きい穴と言える5区をどうするかだが、個人的には高砂が怪しいとみる。もともとポテンシャルは高い選手、これまで山を担った細谷や樋口のように慎重に調整し、「走れば強い」を体現する格好になるか。そしてもちろん6区は樋口。こちらも箱根には合わせてくる山男。よほどのことがなければ当確だろう。

 復路平地は実績のあるランナーが並ぶ。7区に廣。川崎監督が「全日本の2区向きではない」というように、往路の叩き合いよりは復路の展開の方が得意だとみるが、スピードもありどんな展開でも対応できるため7区がいいか。8区は中央学院ネクストブレイク枠、ここに3年から台頭した藤井を置く。9区は全日本でアンカーを予行練習と捉え、有馬と予想。そして10区は監督も示唆していた市山。長い距離に強いことは4年間で証明済。有終の美を飾れるか。

 

 主力の怪我人が多かったシーズンではあるが、それゆえに新戦力が出てきて経験を積めたこともまた事実。そこにこれまでの主力がミックスされ、5年連続シードも十分狙える布陣になるだろう。