〼(ます)健の備忘録

置き去りにしてしまいそうな好奇心を残せたら良いな。

箱根駅伝区間エントリー雑感と変更予想

 箱根駅伝区間エントリー(1次)が発表されたので、どういう区間配置、展開になるかという点について、5つのグループに分けて予想してみる。

 

(セル凡例)

赤:エースの選手、または特殊区間での実績がある選手

黄色:本年度駅伝を経験している選手

臙脂:前年度以前の箱根駅伝を経験している選手

橙:駅伝経験のない選手

青:駅伝の実績はあるが、記録会やメディア情報から状態が心配される選手

下線:特殊区間経験者、留学生

 

①優勝争いグループ

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 まずは、青山、森田が故障との情報。それを踏まえると、どのチームにもチャンスが出てきたかな、という印象を受ける。

 エントリーそのものは、やはりどのチームも隠してきているという印象だが、当て馬は「橙」と見ていいだろう(青学岩見と東洋中村は例外)。とすると、青学は森田が戻らなければ1枚足りない感じになるのは否めない。駒澤も、「5区・伊東」案を採用すると1枚足りないが、駅伝未経験の小島は好調で、そのまま走る可能性が高い。一方で、東洋と東海は駅伝経験者でメンバーを固めることができそうだ。

 区間配置を見てみる。森田が万全でないという前提だが、優勝のためには駒澤は「2区までで青学に先行する」、東洋と東海は「4区までで青学に先行する」というのが基本線、というのがエースの枚数から見て取れる。一方で復路は青山学院、東海が実績のある主力を固めており、優勝争いをするにはそれなりの選手を集める必要があるだろう。そこでエントリー変更はこのような形か。

・青学:3区鈴木

・東洋:2区山本、4区相澤、8区鈴木

・東海:4区關、8区館沢、9区湊谷

・駒澤:1区片西、5区伊東、10区伊勢                     

 

②4強崩しグループ

 

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 次に上記「優勝争いグループ」の一角を崩すことを目標に掲げる大学群。気になる点があるとすれば城西の荻久保。城西大の往路に入る余地がない(往路に選手交代があるとしたらそれは主力の怪我を意味する)ため、戦略、荻久保本人の不調、往路主力の不調のいずれかの理由と思われる。今回は、全員万全だとして考える。そのほかの3チームについては、チームでも上位の実力を持つ選手が順当にエントリーされており、万全とみる。特に2区は各チームエースをしっかりとエントリーしている。

 区間変更に関して、法政は4区狩野が主要区間では力不足な感じを受けるため、1区矢嶋と合わせて2枚替え、城西は前述の理由から往路はノーチェンジで復路大量替え。拓殖は馬場、帝京は横井が往路と予想して、

・法政:1区佐藤、4区大畑、8区松澤

・拓殖:3区馬場、8区白髪

・城西:7区荻久保、8区大石、10区大里

・帝京:4区横井、8区平田

 

③シード争い上位グループ

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 次にシード権争いの中心となるであろうグループ。この中でも順調と言えるのが順天。主力を往路中心に配置しつつ、リザーブにも力のある藤曲、澤藤が控えている。意外なエントリーをしてきたのが中央学院國學院で、それぞれ5区に高砂、浦野といった山の経験はないが実力でいうと上位の選手を起用してきた。が、中央学院はその高砂の状態が読めない中でのエントリーゆえ、往路4区間はもともと今期の実力上位者で固めている一方、國學院は今期のエースを5区に起用しているために、1〜4区(特に1区)が手薄な印象、と、実態は両校でだいぶ異なる。國學院は序盤の流れに食らいつけるかが焦点になるだろう。明治は主力の欠場が濃厚と言えるオーダー。特に2区に八王子LDで不安を露呈した中島、3区はルーキー手嶋ということで、3区は変更濃厚だが2区をどうするかが焦点となるか。今回は中島が回復したと仮定して予想する。

 区間変更については、4校とも復路に駅伝経験のない選手が多くエントリーされており、そこが何人か変更になるだろう。

中央学院:8区石綿

・順天堂:7区藤曲、8区野田、10区澤藤

國學院:8区蜂屋、9区長谷

・明治:3区阿部、8区村上、9区佐々木

 

④シード争い中下位グループ

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 次は前哨戦の結果から(そのため前哨戦に出ていない大学はここには記載していない)、シード権争いは厳しいか?という大学群。順調に見えるのは日体大で、当日変更が予想できる区間の数と当日変更で入りそうな人数がほぼ一致している印象。ここについては「選考レース」であまり振るわなかった宮崎が入るかどうかが焦点となりそうだ。他は大なり小なり難点がありそうなオーダーに見える。

 まず日大。チーム3番手の実力がある武田を3区にしているものの、往路の3、4区は走りそうで、5区は阿部が濃厚。とすると、復路に入ることとなるだろうが、その場合、全日本であまりうまくいかなかった野田とルーキー北野で凌げるか、が焦点となる。次に神奈川、こちらもチーム4番手のランナー荻野が入る余地が往路になさそう、という点で日大と似通う。最も、安田共は4区のような感じがするので、こちらは往路の他区間に問題なさそうだが。最後に問題の早稲田。太田、永山の状態が不透明(永山は間に合いそうだが)な上、「突発性のアクシデント」があったという報道がある。エントリー的に中谷か千明、ということになりそうだが、ここは補欠に回った中谷が怪しいと考え、中谷は出られないものとして考えてみる。

 以上を踏まえて、区間エントリー変更を予想すると、

・早稲田:1区永山、10区小澤

・日体:6区廻谷、10区中川

・日大:5区阿部、9区武田

・神奈川:4区安田共、8区荻野

 

⑤駅伝未知数グループ

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 最後に、前哨戦となる駅伝に出ていないので調子が未知数な部分が大きい大学群。いい感じにオーダーを組めているのが東京国際と国士舘。特に東京国際は衝撃の「1区・モグス」で勝負にでた。両校とも共通しているのが、昨年6区山下りで結果を残した河野、高田がリザーブにいること。平地へのコンバートも予想したが、両方とも往路のメンバーが揃っていることを考えると、急場以外でコンバートはないだろうと予想。一方で大きく特殊区間のコンバートを試みたのが上武と大東文化。橋立、佐々木、佐藤、藤岡ら実力者は指揮官の期待に応えられるか。以上4校については、復路の箱根未経験者が経験者に変わるくらいの変更しかないだろう。

 色々問題がありそうなのが中央と山梨学院。中央は今期不調の神崎のみならず舟津、畝、中山、三浦と4人が補欠に回った。4枚替え前提のオーダーはあまり組まれない傾向にあるので、考えられるのは控えの4人のうち出走ができない選手がいること。とすると急ピッチで間に合わせた畝が結局間に合わなかったのではないか、と考えた。そこで、この予想ではその穴埋めとして苦肉のコンバート、「中山5区」と考える。山梨学院はニャイロが調整不良で、2区永戸の可能性が示唆されている。とはいえ、他に変更する区間が見当たらないので、メディア情報通りの配置と予想。

・東京国際:6区河野、10区渡邊

・大東文化:4区奈良、8区奈須

・中央:1区三浦、5区中山、10区舟津

国士舘:6区高田、10区戸澤

・山梨学院:2区永戸、3区ニャイロ

・上武:4区関、9区松下

 

 順位予想は、また明日、ニューイヤーのほとぼりが覚めたら行う予定。

 

区間エントリー予想:早稲田大学

 ラストはこのチーム!

 

【エントリーメンバー】

小澤4清水4永山4                                                                                 

伊澤3大木3太田智3新迫3真柄3                                                     

宍倉2渕田2吉田2                                                                                 

太田直1千明1中谷1半澤1向井1

 

 前評判通り、ルーキーが非常に多くなったが、実際にメンバーを見てみると、出雲、全日本よりルーキーに依存しない戦いができそうな予感も漂う。

 

区間配置予想】

永山−清水−中谷−千明−大木

渕田−太田智−吉田−小澤−真柄

 

 このチームを考えるうえでまず考えなければいけないのが両輪とも言える太田、永山の状態だろう。ワセスポを見るに、永山は主要区間いけそうで、太田は厳しいのではないだろうか、という見立て。それを考えると永山は負担の少ない往路主要区間の1区、太田は故障あけエースが走ることが多い復路の7区と予想した。太田が無理そうなら7区は宍倉か。この2人が走れないとなるとごまかしの効かない2区、ここには上級生で唯一フルシーズン走れていた清水を起用。今期の早稲田の屋台骨として、なんとか耐えてほしい。       

 しかし苦しいばかりではない。楽しみなのが往路3区4区。3区はスーパールーキー中谷。出雲、全日本と同様、規格外の走りを見せて欲しい。4区はルーキーリレーで千明。上りに強く、5区候補の練習もしているという。最後に登りがある難所でもうまく走れるだろう。その5区は秋口のレースで姿を見せなかったもののエントリーに入り、前年8区の大木と予想。上尾ハーフも出場せず、山ごもりをしていた、と、思いたいが果たして。ここを耐えれば6区は楽しみな区間で、前回も下りのセンスがあることを知らしめた渕田。基礎総力は上がっていて、5000mの自己新も更新している。ここで稼ぎたい。

 復路8区以降は上尾ハーフで走れていた主力を並べる。8区はこちらも5区候補の吉田。登りの強さで一気に畳み掛けてほしいところ。9区は出雲、全日本と出場している小澤、10区は関東インカレハーフマラソンで入賞した真柄と、ロードで実績を残した主力を並べる。こうして見るとやはり、早稲田は上級生が強いチームだな、と感じる。

 

 主力の故障で前哨戦は全くいいとこ無しで終わってしまったが、それでも箱根は上位で戦ってきたのが早稲田というチーム。シード権すらも厳しいという前評判だが、臙脂の誇りを取り戻す走りに期待したいところ。 

区間エントリー予想:山梨学院大学

 ラストスパート。次はかつてない疾風の前に立たされた、「勁草」たち。

 

【エントリーメンバー】

池田4、大殿、片山4、久保4、清水4、永戸4、ニャイロ4           

井上3、川口3、中村3、宮地3、山田3                                              

荒井2、斉藤2、鈴木2、森山2

 

 一番驚いたのがこのチーム。チームを支えた中堅どころの首藤、出木場、藤田がエントリーから外れた。やはり選手のコンディショニングは難しい…他の初勝負レース組の出来栄えに全てがかかる、そんなエントリーだった。

 

区間配置予想】

永戸−ニャイロ−清水−川口−久保

池田−山田−森山−片山−宮地

 

 1区から3区は、3人のエースで突進が基本線だろう。1区は日本人エース、永戸。学連選抜として出走した全日本2区では他校のエース級との叩き合いに加わり、去年の1区とは違う姿を見せつけた。これで上位に立ち、2区のニャイロは言わずもがな区間賞候補。ここで首位に近いところに立っていたい。そして3区は距離に対応したスピードランナー、清水を満を持して起用。1500mから台頭したスピードを生かしたい。

 ここからは基本的にいかに耐えるかがメインになってくる。4区は昨年度も走った川口続投と予想。昨年のリベンジに期待。そして5区は満を持しての久保。昨年走れなかった分、今年はじっくりと調整しているだろう。楽しみな選手の一人である。6区はこれまでの傾向どおり、1500mから台頭した選手がメインになるだろう。そこで池田を起用。本人も6区を志願しているとのことで、昨年の比夫見と同じかそれ以上に走ってくれれば。7区は「箱根への道」でも紹介のあった雑草上がりのネクストブレイク枠、山田。上尾ハーフでの好走の再現となることを期待。残りの区間についても、基本的にはハーフの距離が走れる選手、予選会でよかった選手が順当にエントリーされる傾向があるので、予選会校内中位の宮地、片山、森山と予想。9区に経験者の片山を配置し、10区にはハーフの記録が良い宮地、残り1区間を森山が担当すると予想。

 

 ただでさえ薄い層に、離脱者が続出と逆風吹き荒れる山梨だが、だからこそ「疾風に勁草を知る」精神で、一つでも、前を狙っていけるか。

 

区間エントリー予想:明治大学

【エントリーメンバー】

坂口4角出4                                                                                              

阿部3河村3岸3斉藤3佐々木3中島3三輪3                                

小袖2酒井2前田2村上2

鈴木1手嶋1名合1

 

 4年生の田中、東島ら実績ある選手がついに浮上できずにエントリー漏れしたのは残念。一方で3年生以下は実力者が順当にエントリー。

 

区間配置予想】

鈴木−阿部−三輪−小袖−酒井

前田−坂口−村上−佐々木−角出

 

 このチームの区間予想をするうえで頭を悩ませたことは「どちらの中軸を落とすか」ということだった。阿部と全日本→学連記録挑戦会組の調子が良く、かつ特殊区間もある程度候補がいるため、チームの看板とも言える坂口、中島のどちらかが箱根を走れないのである。ただ、最近の調子、特に八王子LDでの遅れ方は厳しいかな…と思い、中島がアウトと予想。一方、じっくり調整した坂口は復路の勝負所と予想。7区に入るのではないかと考えた。

 残り好調の主軸は山本監督の構想がはっきりしている印象がある。1区から3区は全日本と同じ並びと予想。鈴木がなんとか粘って2区阿部にエース対決を戦ってもらい、3区経験者の三輪でさらに加速させる、という形がいいだろう。4区も全日本と同じく小袖。起伏の激しい全日本4区にも起用された選手で、10000m、ハーフの持ちタイムは申し分ない。全日本の後半区間組は箱根でも後半と予想。全日本5区で粘った村上が8区。8区に10000m28分台の選手を置けるのは、間違いなくシードを争ううえではストロングポイント。ここで攻めて、9区は全日本でもアンカーの佐々木。この選手も全日本8区は箱根9区のテストだったのではないかと予想する。そして10区は最上級生、角出にゴールテープを切ってもらう、という形が良いか。

 特殊区間は、5区は上尾ハーフで復活した酒井に目処が立っているという。もともとクロカンから名を挙げた選手ということで、山にも対応できるだろう。6区は選手選びに難航しているとのことだが、候補の一人であり、エース級のスピードも持っている前田がいいだろう。上尾ハーフで復活の兆しを見せたのも追い風。

 

 スピード、ポテンシャルのある選手が揃いうまくハマればシード権も狙える陣容となった今回のチーム。大六野世代ラストイヤー以降、遠ざかっていたシード権の獲得に期待したい。

区間エントリー予想:法政大学

【エントリーメンバー】

大畑4、狩野4、鈴木4、土井4、坂東4、矢嶋4                             

青木3、岡原3、強矢3、佐藤3、坪井3、増田3、松澤3              

田辺2、寺沢2                                                                                           

鎌田1

 

 寺沢の選出が予想外だったが、主力と上尾ハーフ、世田谷ハーフで結果を残した選手はほぼ全員選出された。万全の布陣と言える。

 

区間配置予想】

岡原−坂東−佐藤−大畑−青木

坪井−強矢−松澤−土井−狩野

 

 まずこのチームの区間配置については、三本柱をどうするかから考えるのが良いだろう。昨年5区区間賞の青木はもちろん続投、70分台も狙えるか。復活のエース、坂東も2区で坪田監督の大学記録の更新を狙っているということで続投だろう。そして6区からのコンバートが濃厚とされている佐藤。やはり下りの強さとロードでの粘りが際立っているので、3区が最も適性区間と予想。平地でも強いことは実証済み。ここで上位戦線に食い込みたい。開いた6区は全日本大学駅伝不出場の坪井が濃厚。前任の壁は高いが、超えてほしいところ。

 そして残りの区間を考える。まず1区。前回1区タイプではない土井が走ったが、今回は出雲、全日本と前半区間の岡原がいる。なんとか食らいつく走りはできるだろう。4区は今までは若手の区間だったものの、「ストロングポイント」に勢いをつけたいと監督が語るため、今回は主力級を置くと予想。ここでこちらも出雲・全日本でいい走りをした大畑と予想。「マジック」炸裂に期待。復路では重要度の高い7区には昨年度出雲途中棄権のトラウマを乗り越え上尾ハーフ学内トップとなった強矢。比較的気温も低い7区なら持てる力を発揮できるだろう。9区は主力を貼り続けた土井。復路・単独走においては強いイメージのある選手。ここも攻める区間になるだろう。8区について、法政は前哨戦のハーフマラソンで走れた選手を起用することが多いため、世田谷ハーフの学内トップを予想した。コース難易度の高い世田谷のトップ松澤は上りのある8区で粘れるだろう。そして歓喜のゴールテープを切るのは全日本でデビューししたたかな走りをした狩野と予想。

 

 前哨戦はやや物足りない結果だったが、箱根には「山」があり、ゆえに上位も狙える。三本柱を中心に、「上位入賞ダークホース」グループに位置するその実力を今回も見せることができるか。

区間エントリー予想:日本体育大学

 次は、監督の方向転換がどうなるか?が試されるチーム。

 

【エントリーメンバー】

志賀4、林田4、室伏4、宮崎4                                                                  

白永3、冨田3、中川3、濱田3、廻谷3、森田3、山口3                                

池田2、岩室2、亀田2、福住2                                                                     

大内1

 

 上尾ハーフ、日体大10000mでよかった選手を中心にエントリーがされている印象だが、伸び盛りのルーキー、加藤が抜けたのは少し残念。

 

区間配置予想】

池田−山口−中川−亀田−室伏

廻谷−岩室−濵田−林田−志賀

 

 このチームは監督の方針で「11月上尾ハーフ、12月記録会」の二本のレースを重視するという情報がある。そこで、この二本のうちどちらかの結果が良い選手を中心にメンバーを予想する。そして。選手の自主性を重んじるとのことなので、選手本人の希望区間も大いに参考になる。

 1区は前哨戦から1区の池田。全日本では区間13位ながら粘り切った。今回も集団の中で粘れるか。2区3区は昨年度からエース級の働きが期待されていた山口、中川の2人と予想。前哨戦では完全に主要区間の洗礼を浴びたが、前回の箱根も、選考レースも最上位の結果の2人。今度こそ勝負できるか。そして4区はその選考レースで台頭した亀田をいきなりの抜擢。ハーフ64分切りであれば主要区間でも健闘できるだろう。山登りは事前のメディア情報通り、本人が希望している室伏。1年時はまさに惨敗という結果だったが、それは前回の山登りで好走した小町も同じ。小町同様、輝けるか。

 復路も選考レースと本人希望から考えてみる。すると6区の廻谷がほぼ当確となるだろう。正直な話、いまの廻谷の実力と調子であれば2区でも十分通用するだろうが、本人がリベンジを熱望。ここで区間上位を取りたい。そして7区に岩室。こちらも往路でも記録が残せるであろう選手。前哨戦でも下位からしたたかな走りを見せた。復路なら区間上位も十分期待できる。長丁場の9区10区は4年生の林田、志賀が良いだろう。色々あった4年間の集大成を見せられるか。残った8区は上尾ハーフでチーム上位だった濵田と予想。この選手は全日本予選も出走するなど、チームでも指折りの実力者と言える。復路をきっちりとまとめてくれれば。

 

 泥臭いたたき上げのチームから、自主性を重んじるチームになったこの大学。しかし、泥臭い練習をベースに持っている選手が多く、箱根では前哨戦以上の結果も期待できる。シード権争いに、まずは割って入れるか。

区間エントリー予想:日本大学

【エントリーメンバー】

加藤4、佐藤4、ワンブイ4         

阿部3、金子3、松木3

遠田2、小林2、武田2、野田2、宮崎2、横山2       

大池1、北野1、鈴木1、山本1

 

 やはりスカウト成功した2年、1年が比較的多いイメージがある。しかし、そうした中で残った3年生、4年生は粒ぞろいな印象を受けた。

 

区間配置予想】

横山−ワンブイ−武田−北野−阿部

金子−加藤−野田−松木−佐藤

 

 往路は全日本大学駅伝で及第点以上の走りをした5人。1区は全日本で日大ファンを歓喜させた横山。集団の中区間7位で踏ん張ったこともあり、適性は高いとみる。2区に区間賞を狙えるワンブイがいる分、思い切って走ることができると考える。そのワンブイは区間賞筆頭候補。今年こそポテンシャルを発揮できるか。そしてそのあとの3区。留学生でジャンプアップした流れを失わないように安定感のある選手をおきたい区間、ここは出入りの激しい全日本2区で自分の走りに徹することができた武田が適任とみる。ここで流れを引き継いで、4区はスーパールーキーでアップダウンに強いと言われる北野を配置することが示唆されている。全日本6区でも悪い流れの中乗り切ったため、単独で走ることになっても問題ないだろう。そして5区には日本人エースを襲名した阿部。かなり登れるという情報もあり、全日本8区でハーフ距離の強さも実証済み。ここでどれほどいけるか。

 そして近年の日大の課題である復路。6区こそ伝統的に適正のある選手を見極めているが、それ以降で例年順位を下げているので、強力な選手を置きたいところ。まずその6区は指揮官も候補として名前をあげている金子。1年時から主軸を担っており、実績も申し分ない。ここで乗っていきたいところ。その次の7区に主将の加藤、これも武者監督の構想の一つ。もともとエース候補と呼ばれていた選手、復路であれば実力は十分だろう。8区に「2年生トリオ」の一人である野田、9区に実績のある3年生の松木と予想。この2人は全日本大学駅伝予選などトラックでは相当な実力者だが、ロードでは実力を活かしきれていないため、ここがキーポイントとなるだろう。最後の10区は4年かけて実力をつけてきた佐藤と予想。

 

 インカレ枠で箱根予選免除となり、長い距離に関しては未知数な部分も大きいが、全日本大学駅伝で戦える手応えをつかんだのが大きい。ワンブイを軸にどれだけ戦えるか。